シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2007から「Two」

ちょっとアジャーニにも見える

 シルヴィ・ギエム。すでに世界的権威にして名声の固まったトップ・オブ・バレリーナなわけだが、いやーーーーーーーーーーーーやーーーーっぱりスゴイ、凄い! 思わず身を乗り出す、目を見張る、見入ってしまう……そんな「衝動」に突き動かされる悦びを舞台から得る、ああ、久しぶりの体験だ。ステージを眺めているうち、目がごく自然に彼女を追うようになる。次第に注視するようになる。「ちょっと……今……とてつもないもの観てる……尋常じゃないことが、起こっている!」そんなワクワク感が、ラヴェルの「ボレロ」のように高まっていく。うーーーん、シンプルに、楽しかった!


シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2007 東京バレエ団全国縦断公演 10月11日 Bプロ
ホームページ http://www.nbs.or.jp/stages/0712_guillem/index.html


 人間は、「まったく未知のもの」に出会う興奮、というものを年々忘れていく生き物だ。右肩下がりのグラフをなぞって生きているかのよう。最初に鳥や虫、花や大木を見たときの気持ちを覚えている人がいるだろうか。物心のつかないおさなごが、ジッと空や水の流れ、いきものを見つめているとき……もしかしたら、こんな気持ちだったのかなあ、そんなことを、私はギエムの「Two」という作品を観て思っていた。
 照明が不思議な効果を体の動きにもたらす作品なんだけど……なーんて言ったらいいのかなあ。闇夜に花火とか振り回したことないでしょうか。なーんかスローモーに動きに残像が付くでしょう、あんな感じになるんですね。暗いステージの中、ワン・スクエアだけ満たされた不思議な光。それはホタルの光の妖しさにも似て。その中でギエムが踊りだすと、次第に「人間が体を動かしている」というよりも、「動き」という純粋な運動・活動、パワーの抽出された存在になっていく。手の振り、足の振りという別個のムーブメントじゃないんですね、その連動がひとつの「躍動」として自然に繋がっていく。うーーーーん……どうしてもいい例えが出てこないけど、「とってもイキのいいヒトダマ」みたいなんですね。
 太鼓のドンドンドンという音。手拍子のパンパンパンというリズム。そんなシンプルな音が煽る、人間の「踊りだしたくなっちゃう」という気持ち。そのプリミティブな感情。そういった不思議なエモーションを、圧倒的なまでに凝縮して、一番シンプルな肉体表現にそぎ落としたようなパフォーマンスだった。ひことでいって、圧倒的! 
 うわー長い感想。明日は全体をパラパラ感想列記。


○今日は何の日
どーーーーにもテンションが上がらない苦しい日。何の理由もなく、バイオリズムで低い。こーいうときは泳ぐに限る。プールに行ってから近くの神泉「ミドリエン」の素朴なおかずがとっても美味しいお弁当でランチ。代官山・アイバさんの事務所まで歩き、ちょっとお喋り。名刺作ってくれてありがとうございました。あなたの幸せを末永く祈ります。そしてギエム様 in 東京文化会館。なんと2階ど真ん中一列目! チケット取ってくれたナカガワさんありがとう。こんな天子様がご覧になるような席で……ちょっと静かに手を振ってロイヤルスマイルをしてみる。そのせいか休憩中「安藤和津」を目撃。当然のようにエルメス・ケリーが拳に。バーキンだったらごめんよ和津、見分けつかないんだよ。帰りは銀座に移動、スペイン料理「カマロン」にて食事。ガンバス・アル・アリージョが美味しくてビックリ。
 


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