東京バレエ団2007年公演より

未来の少子化対策大臣

 橋下徹弁護士、「出ない出ない絶対ない」姿勢から一転、大阪府知事選出馬へ。これを受けてすぐさま大阪に飛んだテレビ関係者から聞いた話。けっこうな数の街頭インタビューをしたそうなんだけど、みんな一様に「有名候補あの人だけだもの、受かるでしょ」「こんな財政難の都市、なり手他にいないよ」という素っ気のないものばかりなんだそう。ふうううん。もう、ほぼ「はい、やってください」という投げた感じなんだそうな。大阪って、とかくお笑いとかB級グルメとか、元気なイメージばかり喧伝されがちな街だ。けれど実際訪れて、ちょっと街中から外れたところを歩くたび、私は不思議な「タイムストップ感」に襲われる。なんか……ノスタルジーという意味ではなく「昭和」のまま。あの寂しい感じはなんなんだろう。そんなことを、「みな素っ気なかったよー」という話を聞きながら思い出していた。
 さて昨日のバレエ話、上野水香など他キャストについてのメモ雑感。

シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2007 東京バレエ団全国縦断公演 10月11日 Bプロ
ホームページ http://www.nbs.or.jp/stages/0712_guillem/index.html
 5作品による構成。まず上野水香がタイトルロールの「カルメン」から。スターの輝きは充分、テクニックも見事なのは言うまでもありませんが、うーん……歌舞伎でいうと「ニンじゃない」ってんでしょうかね。「カルメン」と思うと物足りない。男を誘ったり惑わせたりするシーンがどーにも小ざっぱりしちゃうんだなあ。しかし存在感はたいしたもの。カーテンコールでの足の動き、それだけで美しいドレスの裾のよう。
 お次はシルヴィ・ギエムとニコラ・ルリッシュによる「椿姫」(振付:ジョン・ノイマイヤー)。とっても分かりやすいクラシックな振り付け。一番の問題は音楽。生ピアノでショパンのバラード第1番が演奏されるが……たとえると、こう。浅田真央ちゃんグランプリ・ファイナルにて。「さあトリプルアクセル、決まるか!?」という絶妙のタイミングでCDが「音飛び」したらどうでしょう。みなさん思いっきりズッコケませんか。そんな感じのことが絶え間なく起きる感じ。ミスタッチが多い、というのでもないのだが、ギエムと一緒にやるにはレベルが違いすぎた。
 そして「シンフォニー・イン・D」(振付:イリ・キリアン)という東京バレエ団16人による作品。これが意外なひろいもの! ハイドンのシンフォニー「時計」と「狩り」にのって、様々に躍動するからだ。フィジカルな動きの面白さがタップリつまって、観ていてシンプルに楽しい。この日、途中で男性ダンサーが怪我をして何秒間か無人の舞台が出来てしまった。急遽入ったと思われる代役のかた、それを気づかせぬほどに乱れぬ群舞を作り上げていた。喝采
 ラスト、ギエムとラッセル・マリファントによるモダン作品「Push」。これに関しては一考察あるのだけれど、長くなりそうなのでカット。終わった後は静かな感動に襲われた。鳴り止まぬ拍手の中、ふと振り返ってみれば草刈民代さんがいる。同じスター・バレリーナとして、彼女は喝采の中のギエムに何を思っていたのだろう。彼女の手は、膝に置かれたままだった。


○今日は何の日
お昼前に掃除して泳ぎに行って。ランチは神泉の「轍」でタンタンメン。うんまい……。汁まで全部飲みたくなる優しいタンタンスープ。6時に文化会館へ。終演後、上野から山手線に乗って銀座へ移動。Velvia館の「カーサ カマロン」で食事。ガンバス・アル・アリージョのエビが大きくてビックリ。贅沢なの使っているなあ。でも値段は普通、たいしたもんだ。


○お知らせ
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