女の事件簿―ミス日本にしてボンドガールだった女―

取貝麻也子時代の写真

 ちゃんと書き留めておきたい、と思いつつ時間が経ってしまった。私は未見だが、1985年の映画「007 美しき獲物たち」に出ていたという元ボンドガールにして元ミス日本、取貝麻也子こと村田麻也子被告の事件。
 

 なんとまあ、きらびやかな経歴か。詳細は下に載せておきますが……簡単にいうと、罪状は結婚詐欺、遊興費がほしかったとのこと。うーん……このニュースを聞いたとき、シビアなひとことがスッと思い浮かび自分でも驚く。ひとこと、「ま、そのへんの男も騙しきれない女だから、芸能界にも長居できなかったんだろうなあ」そう思う。


 と、同時にこうも思った。芸能界に生きる女たち、というのはある意味「詐欺師」なのかもしれないな、と。それは夢を見せる、夢を売る、という意味でね。でもその夢に「お金を払ってもいい」「この女で、夢を見たい」と思わせれば、それは詐欺じゃなくなる。しょせん、格が違ったのだ。かわいそうだが、この言葉につきると思う。
 また別の意味で、「いろごと・ひめごと」という観点からも、同じようなことがいえるんじゃないか。芸能界で、ある種の「格」をもってサバイバルしてる女たち(主に女優)ってのは、「だまされてみたい」と本気で思わせる女だと思う。
 そして事実だましたとしても、男達が「あのときは本気だったんだよ、○子は」「周囲がなんといおうと、俺は△美を信じてる」、と思わせるような女達なのだ。「あのとき、あなたに言ったセリフは嘘じゃないわ(今は心変わりしたけど)」「もっといい女になって帰ってくる(永遠に待ってなさい)」そんな虚言を、真実に思わせる。それは手練手管、というよりも演技力の範疇なのだろう。大体、夢の見せ方がキレイなら「その程度の金、くれてやるよ」と男は思っちゃうもんだろう。
 しかしなあ、結婚相談所というのが……ああ、あまりにもビンボ臭いが、切実この上ない。なんか泣けてきちゃうなあ……「ぞっこんだったから、簡単だと思った」というコメントも、浅はかこの上なく痛々しい。というか、今になってみれば「取貝」という旧芸名がなんとも趣深いですねえ。その昔「貝」はイコールお金……って大喜利レベルなことを……。
 麻也子、ムショから出てきたらなんとするか。反省するか。それとも、
「あたしはしょせん、こういう風にしか生きられない女」
 そう言うだろうか。そしたらそれはそれで……ある種の「剛の者」と思うけれど。


○追記
この女の人生をドラマ化するとしたら、いったい誰が適役だろう。色々思いつくが……明記するのはやめましょう。笑 


○付記
と、ここでニュースが。こちらは男の事件簿、韓国・ソウルで国宝一号という南大門が全焼、崩壊した。放火方が疑われていたが、一夜にして犯人が逮捕。69歳の男性だという。三島由紀夫金閣寺」、そして市川崑の映画「炎上」を想像してしまう。いったいどんな理由からこの男は……。知りたい。もしも私が法隆寺とか平安神宮燃やしてしまったら、次の日どんな気持ちになるのだろう。


○ニュース記事
 結婚相談所で知り合った男性から現金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元ミス日本の無職、村田麻也子被告(47)=横浜市神奈川区=の初公判が21日、京都地裁(増田耕児裁判官)で開かれ、村田被告「間違いありません」と起訴事実を認めた。
 検察側は冒頭陳述で「生活費や遊興費、雇っていた家政婦の給料などに困り、少なくとも平成13年ごろから結婚詐欺をくり返して生活していた」と指摘。「男性が私にぞっこんなので、だますのは簡単だと思った」との供述も明らかにした。
 起訴状によると、村田被告は昨年8月から11月の間、結婚相談所で知り合った男性2人に結婚話をちらつかせ、「生活費が必要」などといって計820万円をだまし取った。
 村田被告は昭和57年のミス日本。「取貝麻也子」の芸名で60年に日本で公開された映画「007/美しき獲物たち」に、“ボンドガール”として出演していた

(すいません、ニュース出所をメモ忘れました)


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