大阪の痴漢でっち上げ事件に思う・1

クロッカスの花言葉「私を信じて」

 こざかしい……小賢しい…あああコザカシイっ!
 この事件を思うたび、そんな言葉が何度も頭をめぐってしまう。2月1日に起きた、大阪・御堂筋線での痴漢でっち上げ事件について。簡単にいうと、大学生が彼女を使って誰かを「ハメて」、痴漢に仕立て上げたという事件。容疑者は甲南大学、法学部の学生・蒔田文幸(24)。逮捕されてからというもの、「弁護士が来るまで黙秘します」の一点張りなんだそうです。さすが法学生! あはは、ひとごとながら「キーーーーーーーーーーッ」とやり場のない怒りに体震えそう。なんでここまで熱くなってしまうのか。うん、ひとごとなんですけどね。ただ、ここまで「ひとごとじゃねえなあ」と思う事件もないだろう。

 現代版美人局(つつもたせ)、なんてクラシカルな言葉を見出しに遣った人も多い。けれど美人局ってのは、基本的に相手のスケベ心を誘い出しておいてするもんだ。
 あら兄さんいい男だねえ、そういうねえさんも美人じゃねえか、どれどれ、もっとこっちに寄んな……とシッポリなるかならないかのところで男登場、ゆすりが始まるってのが定石。
 ちょっとした「バツの悪さ」が騙されたほうにもあるもんだから、幾分かの金子(きんす)を出してしまう……という構造。今回のように一方的に陥(おとしい)れ、しかも警察に突き出して示談金を狙うという卑劣なやり口とは全く違う。あら……いつの間にか私はなぜ美人局を賛美するような文章を……。


○一番恐ろしいと思ったこと
 共謀の女が2月中旬になって、「示談金をとろうと持ち掛けられてやった」(3月13日産経新聞)と自供したことで一転、逆転無罪となったわけだが……恐ろしいのはここから。14日の「とくダネ!」ではとある弁護士さんが、「この自供がなかったら、無罪になるのは99%なかったでしょう」と発言していた。これが、私には非常にショッキングだった。この弁護士さんは痴漢冤罪をテーマにした映画、『それでもボクはやってない』に協力した方で、この種の犯罪は専門のよう。こんな猿芝居が、99%成功してしまうかもしれないのだ! いやはやなんとも……絶望的な気分。うーん……そう思うと、「女性専用車両」というのは素晴らしいシステムなのかもしれない。極論だが、いっそのことラッシュアワーは全部、男女それぞれ別にしてもいいじゃないか。「99%」だもの。そして今回のように、「共犯者の自供」など多分滅多にあるものじゃないだろう。
 うーん長い……続きは明日。


○記録(13日産経新聞ネットニュース)
甲南大生らによる痴漢でっち上げ事件で、犯人に仕立てられ大阪府警に逮捕された堺市北区の会社員、国分和生さん(58)が13日、産経新聞の取材に応じた。取り調べでは「何を言っても信じてもらえなかった」といい、「こんな目にあう人が二度とないようしてほしい」と訴えた。
 事件は2月1日午後8時半ごろ、仕事帰りに乗った大阪市営地下鉄御堂筋線の車内で起きた。天王寺駅手前でブレーキがかかり、国分さんが隣に立っていた女(31)と肩が触れた瞬間、女が「触りましたね」と声を上げ、泣きながらしゃがみ込んだ。そこへ、乗客をかき分けて甲南大4年、蒔田文幸容疑者(24)=京都市山科区=が「触りましたよね」と連呼しながら近寄ってきた。
 国分さんは誤解を解こうと、自ら天王寺駅で降りた。「助けてもらえる」との思いで足を運んだ駅の一室。「やってない」と訴えたものの、声を荒らげる警察官は「触ったやろう」と耳を貸さず、府迷惑防止条例違反で現行犯逮捕、阿倍野署に連行された。暗い留置場で、男手一つで育てた結婚前の娘たちが頭に浮かび、「犯罪者にされたら迷惑がかかるな」と一睡もできなかった。
 翌日も朝から取り調べが続いた。弁護士と接見して無実を訴えた後、午後6時にようやく釈放。迎えに来た3人の娘たちが駆け寄り、抱きついてきた。「こんなことになってごめん」。娘に見せた初めての涙。「いいよ、信じてるから」との言葉が支えになった。
 容疑が晴れたのは女が自首した後の2月中旬。女は交際中の蒔田容疑者から「示談金をとろうともちかけられてやった」と供述したといい、署の取調室で数人の刑事が「私たちもだまされました」と国分さんに謝罪した。その後、熊見裕署長から「このような事件がないよう一生懸命捜査します」と電話があったという。


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