根岸明美&ソフィア・ローレン+「すれ違う人々」

踊り子さんに手は触れないで

 トイレに行きたい……!


 歩きながら急な尿意に襲われた私。モジモジもマックスに達した瞬間、曲がり角にセブンイレブンが。
「神よ!」
 そう思いコンビニに飛び込んだら、いきなり目に飛び込んできたのが「島田歌穂」さん。「エポニーヌ!」と叫びそうになってしまいました。漏れそう。
 叫んどきゃよかった、と思いながら用を足す私。お分かりですか、ミュージカル「レ・ミゼラブル」での彼女の当たり役ですよエポニーヌは。言ってみましょう、エポニーヌ。子馬みたいな名前です。実際の彼女は色が抜けるように白くて、目が驚くほど大きかったのが印象的。


 右の写真は「ロッキーホラーショー」での彼女。素晴らしい一枚です。
 あ、そうそう先月のこと。シアター・コクーン岩松了の「恋する妊婦」を観たとき、ロビーですれ違ったのが、ブリキおもちゃ鑑定士「北原照久」さん。「あ、ブリキが落ちてる!」と言ったら振り向くかなあ。瞬間そんなこと思った自分が、本当にバカだと思いました。はい、最近の「すれ違う人々」でした。
 今日は最近書きこぼしていた、東西女優2人の話を。どんな前説だよ。

○根岸明美さん、死去
 私の最も好きな日本映画のひとつ、『細雪』での助演が心に残っている。市川崑監督による、1983年度版。吉永小百合演じる、雪子のお見合いのシーンでの世話人の役だった。ほんの1シーン程度だが存在感があって、厚味のある演技だった。助演者として、優れた人だったと思う。ご冥福をお祈りします。
(末尾にニュース記録あり)



○大女優よ永遠に
「どうでもいい話題を提供し続けることが存在意義の芸能人」
このキーワード、最近よく聞きますね。この辺、一度総ざらいしてみたい気もする。嫌われるだけのような気もするけど(笑)。この手の芸能人としてよく挙げられるのが「神田うの川島なお美・泰葉」ですね、まさに御三家。「ゴシップメーカー」というのとも、また違う感じ。うーん……逆に、こうも思う。この三人が女性週刊誌から今いなくなったら、結構マスコミはページ作りに苦しむんじゃないか!? いや、苦しんでもいいんだけどさ。と、そんなことを考えていたらこのニュースが。

■記録
 伊のベテラン女優、ソフィア・ローレン(73)が6日、都内で行われた宝石メーカー「ダミアーニ」の新店舗オープンを記念した会見で激怒し、その後の取材を拒否する騒動となった。会見後に予定されていたテレビの情報番組の個別取材などをキャンセル。ホテルの部屋に帰ってしまった。今回、30年ぶりの来日となるが、図らずも大女優健在ぶりを印象づけた。
 ソフィア・ローレンといえば、1960年の「ふたりの女」で米アカデミー主演女優賞を受賞し「世界で最もセクシーな女優」にも選ばれるなど、世界的な大女優。1978年以来の来日とあって、香港、台湾などを含む100人以上の報道陣が集結した。
 会見は冒頭から不穏な空気が流れた。当初、ローレンは午後2時20分ごろに登場予定だったが、姿を見せたのは3時すぎ。「3時までは出たくない」という謎の理由による40分の遅刻のため、質疑応答は伊テレビ局によるわずか1問で打ち切られてしまった。
 日本の報道陣が「改めて質問させてほしい」とリクエスト。関係者の説得で、再び会見場に現れたローレンだったが「ノーノー!質問にはもう答えたわ」と腰に手をあて、完全にブチ切れモード。その後に予定されていた2つの情報番組の個別取材も拒否。別会場で開かれた顧客用展示会に数分顔を出すと、ホテルの自室に引きこもってしまった。
 前兆は来日した4日からあった。自室に入ったきり周囲をシャットアウト。翌5日に開かれたパーティーも早退した。「ひどく疲れた様子でナーバスになっていた」(関係者)という。
 この日午前には約2億円のネックレスとブレスレットをつけ「次は30年も間隔をあけずに、日本を観光したいわ」とご機嫌だったローレン。“女王様”の突然の翻意に、関係者もただただ、あ然、ぼう然とするばかりだった。


「当初から不穏な空気」「3時までは出たくないという謎の理由」「完全にブチ切れモード」「亜然呆然とするばかり」あはは、完全に記者さん悪ノリしてますね。まあ……ひょっとしら見たまま書いただけなのかもしれませんが。しかし……近年まれに見る素晴らしいニュースです。よく聞けばソフィア、「東京にまで来て・100人のアジア報道陣を待たせて・キレて・結局イタリアのテレビとだけ話した」それだけです。それがニュースになっちゃう。このぐらいのワガママとスケールあってこそ、女優。私、先の「どうでもいい話題御三家」については愛情も嫌悪もないんですが、どこか「好かれたい」という気持ちが感じられて、興味を持てない。ソフィア、そんな媚びの微塵も感じられません。自信とディグニティの強さが女優の存在証明、そう私は思っていますが、このクラスの人ってもう出てこないでしょうね。戦争経験者じゃないと、こうはいかないと思う。
 いつまでもお元気で、ソフィア。

 最も美しかった頃のソフィア・ローレン


■記録
黒沢明監督の「赤ひげ」「どん底」などの映画やテレビドラマで活躍した女優、根岸明美さんが11日、卵巣がんのため死去したことが12日、分かった。73歳だった。葬儀は近親者のみの密葬で行う。
 根岸さんは大妻女子学園(現大妻中学高等学校)を中退後、日劇ダンシングチーム第6期生として在籍していたが、昭和27年に踊り子から女優に転身。ジョーゼフ・フォン・スタンバーグ監督の日米合作映画「アナタハン」のオーディションで主役に抜てきされ、国際派女優のさきがけとして鮮烈なデビューを飾った。20代当時、1メートル67、B103W60H98という昭和30年代では極めて日本人離れした巨乳と8頭身のモデル体形で人気を集めた。ただ、本人は肉体派女優として見られることを嫌い、人知れず演技力に磨きをかけた努力家だった。その結果、黒沢監督の目にとまり、24歳で「どん底」、33歳で「赤ひげ」に出演。妖艶な魅力を発揮し続けた。その後は、昭和48年放送のTBS系「ウルトラマンタロウ」で、少年の母親役を演じるなど、さまざまな顔を演じ分ける脇役としても活躍した。
 平成13年、66歳の時には蜷川幸雄氏(72)演出の「近松心中物語」に出演。17年には蜷川氏のめいにあたる女優、蜷川有紀(47)監督、脚本の映画「バラメラバ」にも出演している。親族の意向で死亡時刻、場所、喪主などは非公表。(13日サンケイスポーツネットニュース)


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