若葉と鰹+心辺雑記

目に青葉

山ほととぎす

初鰹



 古来よりの定番フレーズ。この時期になると、誰かしらが必ず唱えている。まったく共通点のない言葉のようだけれど、並べてみると、不思議な整合を見せる。視覚・聴覚・味覚の三要素が共鳴しあって、ひとつの波紋がうみ出される。山の緑、鳥の声、そこにいきなり、舌に広がる初物の味――五感の縦横に、春のイメージが広がっていく巧み。
 と、いうのは私なりの後付けの理論。シンプルに、いい句ですね。
 こないだの日曜日、それは見事な日本晴れで、暑いぐらいで。とある目的で早稲田大学に久しぶりに行ったのだけれど、木々の緑が見事で、思わず写真に撮ってしまった。若緑、きらきらしく。出来すぎなようだが、ちょうど入学式で、行き交う人も若葉、若芽で晴れ姿。私が見かけたお母さんは、目に涙をためていた。
 その日ではないけれど、夜ごはんを頂きに入ったお店でのこと。品書きを眺めていたら、板前さんがおのずと「鰹、いいですよ」と薦めてくれた。そして実際、とても見事な鰹だった。
 戻り鰹のほうがあぶらが乗っていて……という文句は、よく聞くところ。けれど、この時期の鰹は、その身全体から、若葉のようなきらきらしさを放っている。カウンターの奥にはなんの木だろうか、緑萌える小枝が活けられていた。これでホトトギスでも鳴けば、句が揃うのにな――そんなことを考えながら、ニンニクのスライスをのせて鰹を頂いた。
 ホトトギスは借り物ですが、若葉と鰹の写真を載せておきたかった。今日はそれだけの日記。


○行状日記
 寒雨。しとしとぴっちゃん、と自然に出てくる自分が嫌になるぐらい年寄り臭い。朝9時から六本木ヒルズで取材。ここで問題です。
Q:雨で風が強い日の六本木ヒルズ、さあ一体どんなことになっているでしょう? 
A:怖ろしいぐらいのビル風&横殴りの雨。すごいんだから。小さな女の人、冗談抜きで吹っ飛ばされそうだった。
 しかしそんな中、私は当然のように「台風接近中のここ石廊崎は凄まじい雨風ですッ、立っているのもやっと(ドパーン)ギャー……」などとタワケたことをひとり呟く。傘が壊れそう。その後試写2本、京橋にてカトリーヌ・フロ(大好き!)主演の『譜めくりの女』、そしてエドワード・ノートン主演の『幻影師 アイゼンハイム』。今、アイゼンハイムが「愛染ハイム」と変換されて激しく動揺する。♪はーなーも〜嵐も〜ふーみこーえーて〜……一体何人が分かるんでしょう。青森のUさんしか分からないかも。あなたですUさん。ランチは近くの「ダバ・インディア」にてミールスランチ。ラッサム(ニンニクトマトスープ。南インドのお味噌汁のような存在)ってたまにむしょうに食べたくなる。
 夜はセイコさんと西麻布「キッチン」で晩ごはん。最近ここの春巻中毒。
 米粉を厚く焼いたものが入ってて、それが抜群の食感を生み出す。最高!


○蛇足


○お知らせ
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