愚にも付かぬ平生雑記

photo 早田雄二

 毎朝テレビでやってますが、「今日誕生日の有名人」ってなコーナーがあるんですね。素朴な疑問。あれ、一体なんのためにやるんでしょう……今日誕生日の人が「あ、私この人と同じ誕生日なんだー」とかいって喜ぶためなんでしょうか。一緒で嬉しい芸能人もいれば、余りそうでない方もいるだろうに。
 ちなみに私は、昨年もネタにしましたが「坂上二郎団しん也・伊那かっぺい・なぎら健壱」の各氏と同じ誕生日。どうですかこの並び。さらには、チャールズ・チャップリン先生も同じ誕生日です。すっごい嬉しい。女優だと「横山道代・二代目水谷八重子」……。
 そろいもそろって。そんな言葉が脳裏に浮かびます。今日はなんですか、女優の鰐淵晴子さんの誕生日だそうです。きれいなきれいな写真を飾っておきます。今日はいつもの、愚にも付かぬ平生雑記。

○どうでもいいついでに
ご存知ですか。ドイツ人の母を持つ鰐淵さん、なんと「ハプスブルグ家」の末裔なんだそう。ただもんじゃねえ。スケールが違いますね。名家の子孫……なんという素晴らしい響きであろう。大昔、父・カズヒサに問うたことを思い出す。「お父さん、うちのご先祖様ってどんな人? すごい人?」「うちは何代さかのぼってもズーっと水呑み百姓。ひとりとして名のある人なんていないの」子供の夢、バッサリ裁断。


美の頂点にあった1977年ごろ(映画『HOUSE』より)の鰐淵晴子。この人にもすれ違ったことがある。


○目にやさしき花のさかり
 街がハナミズキでいっぱいだ。スラッとした幹から緑の枝に、白い花がこぼれるように揺れている。ハナミズキ、漢字で書くと「花水木」。どうでもいいが、植物の名前をカタカナで書くのって、誰が決めたのだろう。すごく勿体ないというか、つまらないことのように思える。ソメイヨシノ染井吉野ジンチョウゲ沈丁花、マチヨイグサ・待宵草……どれも漢字で接したほうが、美しきイマジネーションが広がると思うのだけれど。いにしえ人の繊細な感覚を味わう機会を減らしている。


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