大空眞弓会見「お腹の中に入れなおしたい」

「もう一度、お腹の中に入れなおしたいと思いました」
大空眞弓
(女優・2008年4月10日の会見より。息子が三度目の覚醒剤使用で逮捕されたことをうけてのコメント)

 2002年3月の会見では見事な腹式呼吸を披露、「あの大空さん……舞台じゃないんですから」「マイクいらないんじゃないか」ってなぐらい通る声が印象的でした。涙でグチャグチャになっているのに、滑舌も発声も完璧――そんな女優魂を見せてくださったのが、大空眞弓。  
 今回は先のコメントを残されましたが、うーん……私は壮絶なまでに寒々しいものを感じてしまった。けっこうリアルに……怖い。


 この発言って私には、「なかったことにしたい」という意味合いに聞こえる。育てなおす、というよりも、ファミコンの「リセットボタン」を押す子供のようなイージーさを感じてしまうのだ。
「お腹の中に入れなおしたい」という発言って、なっかなか出てくるもんじゃないだろう……本気か!? 言葉のあやとしても、そんなこと思いつくものだろうか。また十月十日苦労して、痛い思いするなんて……「冗談じゃない!」って思うだろうなあ。
 さらにはこうも思う。
「入れなおしたい」と思う母親に対して、息子のほうも「もう一度、お腹の中に入りたい」って思っていそうな気がする。結構、本気で。
 多分、下界は彼にとって過ごしにくく、居心地の悪いものでしかなかったんだと思う。
 お腹の中にいたい、それを厭わない彼。逮捕以前、生活費はすべて大空真弓に依存していたという。それは最早、「お腹の中にいる」ことと変わらないように思える。そして、「入れなおしたい」と発言してしまう母。
 いつまでも自立できない自分に対してもっと図々しく、開き直れればまだよかったと思う。嫌味じゃなく、それが哀れだ。


○ちなみに……
お若い頃の大空さん。「ありがとう」に出演していた頃、物怖じせず何事もハッキリした態度で臨む演技が素敵だった(私は再放送にて拝見)。小津安二郎の映画『秋日和』における岡田茉莉子のような躍動的で、溌剌とした美女だったと思う。

○お知らせ
ブログランキングに登録。 どうか1日1クリック↓を。
http://blog.with2.net/link.php?198815
ご意見などはこちら→hakuoatsushi@yahoo.co.jp