キャラクタービジネスin柴又編

 とある取材で、葛飾・柴又へ。週末の東京、ずっと小雨だったのが午後から止み、そして晴れ間がのぞくほどに。ちょっと遠回りがしたくなり、一駅遠い金町から歩く。金町浄水場の木立から、スッと濃い緑の匂いがたち昇る。いかにも五月らしい、草いきれとは違う爽やかな香り。胸のすくよう、なんて言葉を思い出していたら、帝釈天への参道が見えてきた。ゑびす家、川千家、夏目漱石の「彼岸過迄」にも出てくる川甚など、提灯が下がる料理屋が並ぶ。うーん、いい風情。『男はつらいよ』グッズが山のようにつまれた店もある。そこかしこにポスターやら、渥美清の写真が貼られている。
 つきあたって、山門からの眺め。今すぐにでも、佐藤蛾次郎がほうきを持って現れそう。

 よくこの辺を蛾次郎は適当に掃いていた。ふと思い出す、映画の世界。そしたら後ろから、聞こえた声。
「御前様、いるかな」
期せずして、ほかの観光客が呟いた。笠智衆が亡くなって、もうどのくらい経つんだろう。そんな感傷に浸りつつ、柴又駅にもどれば、一転してシビアな現世に引き戻される。そこにあった、商魂すさまじき品々の数々――!


■「寅さんキューピー」

いいのか。許諾とってるのか。いや……笑いましたけどね。けっこうしっかりした衣装。
「ここにしか売っていません!」
どこでも売られていたらイヤです。さらに驚いたのは、「まりもっこり」ってあるでしょう、あの寅さんバージョンがあるんですねえ。
■柴又もっこ

「この寅もっこり、すごいリアルにもっこりしてて、ちょっと恥ずかしいんですよー」
売り子のお姉さんがニコニコしながら仰ってました。こっちが恥ずかしいわ。なるほど……寅、という言葉は使わないわけですね。商魂逞しいというか……けっこう売れているそうです。

おなじみ、とらや。三崎千恵子が今すぐにでも出てきそうでした。知らなかったけど、1作目から4作目まで実際ロケで使われたんですね。


旅立つ寅、見送る妹・さくらがよく並んだ柴又駅。脇にあるのは寅さんの銅像。ちょっとした小旅行気分でした。うーん、ザッツ・ブログ。


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