改稿・「北京オリンピック開会式」

そりゃあもう大騒ぎ

「何もそこまで……」
 私が今回の開会式でずーっと脳裏に浮かんでいたフレーズです。いやはや、凄かったですね今回の「もよおし」の数々。人海戦術という四字熟語が百花繚乱していたかのよう。わけわかんない例えですね。もしも失敗したらエライことになりそうなマスゲーム(特に「和!」のところで失敗したらタダではすまなそう)、中国四千年の歴史をエレクトリカル・パレードにしたような「豪華山車」の数々、そして巨人の足跡をイメージしたという花火、そして宙を翔ける聖火(このとき私の頭にはずっと円広志の「夢想花」がBGMに)……いずれもファンタスティックでありましたが、個人的な注目ポイントはただひとつ、各国入場。これがとーっても面白かった。いかに私は世界の国々を知らないか、感じ入りました。いろんなの国々の人々を一挙に見られる機会など、そうそうあるもんじゃないですし。やっぱり、私はひとの顔に一番惹きつけられる。


 各国入場の際、アナウンサーが何かしら「まめ知識」をつけるんですよ。この国の注目選手は誰々、何のスポーツでメダルが期待されているとか云々。けれど、ちょっとスポーツ成果は期待できなそうな国もあるわけで。そんなときは
オマーンの入場です。オマーンはシンドバッドが旅立った国として有名ですね」
チュニジアチュニジアは柔道の交流が盛んなんですねー。とても親日国家です」
「100歳以上の人口数が世界一、アゼルバイジャンの入場です!」
 トっ、トリヴィア……思わず「へええ」と思っちゃうが、「だからどうした(笑)」というなんだかヘンにのどかな気分になってしまう。そんな「まめ知識」があれやこれや。今回は史上最多という204の国と地域が出場というので、まあ行列が終わらないこと。それに伴ってこの「まめ知識」もタップリ。
シンガポール、この国名は獅子の国という意味なんですねー」
 へぇ……マーライオンってそういうシンボルなのだろうか。
トリニダード・トバゴ、ドラム缶から作られた楽器、スティールパンで有名な国ですねー」
 あらーそうなんだーって、スティールパン知らないよ! 
ボツワナは最近ダイヤモンド鉱山が見つかって、経済成長が著しい国です」
 いやはや、本当にお勉強になりました。どうでもいいけれど、各国の先頭にいるプラカード持った中国のむすめさんたちって二百四ツ子とかなんでしょうか……みんな同じ人に見えてしまった。
 そうそう、今回思ったのが世界には諸島国家というのが実に多いのだな、ということ。ヴァージン諸島、フィジーパラオ、ソロモン、セイシェル、などなど。ミクロネシアなんて600もの島からなるというから、ビックリ。国家意識、というものが全く違う概念としてありそうな気もするが、実際はどうなんだろう。
 あ、アルバニアという国の国旗が美しかった。メモしておきたい。

 そうそう、バングラデシュって日本と同デザインなんですね。知らなかった。緑日の丸。

 各国の衣装についても、いくつか。タイは名産物であるシルクを使ったジャケットが美しかった。それからポーランドの女の人の衣装、朱色が綺麗で今回のベスト・デザインに思える。スウェーデンはなんとチャイナ・ドレスを着用。北欧人の着るチャイナドレス、これはこれで粋な計らいだと思った。
 などと呑気に楽しんでいたら、開会式の夜には「オリンピック会場へ航空機を墜落させる」というメールが、中国国際空港へ。1便が上海手前で引き返したり、9日には米国人観光者が中国人に殺され、犯人は自殺という痛ましい事件が起こってしまった。亡くなられた方は男子バレーボールの監督のご親族という。なんということだ。


○追記

開会式にて踊り狂うむすめさん。アトラクションには1万4千人が動員されたとか。演出はチャン・イーモウ。この人、張芸謀って書くんですね。「芸のはかりごと」と書く……深い。この開会式、友人が出席してたのだけれど「これを超えるものはもう見れないだろうな」と思ったそう。ただ「率直にいうと、最初のマスゲームと打楽器を使ったアトラクションは、引いた。あの一糸乱れぬ感じが、ちょっと怖いと思ってしまった」とのこと。正直な感想だと思う。あーいうことをパッとできる素地が国民にある。そういう教育がある、ということが見えてくるのだと思う。


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