最近の書きこぼしから

渥美清、13回忌だそうです

  先日13日、テレビ東京系で放映された特番が面白かった。その名も「絶景・人情列島 寅さんが旅したニッポン」.
いうまでもなく映画『男はつらいよ』の舞台になった土地がテーマだが、そこを訪れるのが歴代のマドンナという企画。出演は真野響子、かたせ梨乃、長山藍子浅丘ルリ子。そして妹・さくら役の倍賞千恵子と、その夫役の前田吟が二人で柴又案内をする、というもの。うーん豪華!
 真野響子は見逃したが、あとは間に合った。と、いきなりネガティブなこと言っちゃいますが……まず一番感じたのは、やっぱりというか今更なんだけれども。ほんっとうにテレビカメラって、映像的につまらない。なんとも、美しくないものだなあ! まず映画のシーン、日本の様々な名勝地が映し出されたのち「はーいここが現在のロケ地です、きれーい」とかなるのだけれど……比べると、本当に景色を、そして人間をもテレビカメラって「つまならく」映しているのが分かる。色気がないんですね、画面に。せんないことなのだけれど。フィルムというのはどうしてあんなに人間的なのだろう。
 冒頭とラスト、マドンナもつとめた吉永小百合がナレーションをしていた。吉永小百合ではなく、かつてのマドンナ「歌子」として語りかける演出で、これがとてもシミジミとした情趣を生み出していた。倍賞千恵子矢切の渡しに乗って、叙情歌だろうか、ひとふし披露したのも心に残る。
 何より浅丘ルリ子が最終作のロケ地、奄美をおとずれたのが印象的。あそこまで感情的に、素の彼女が放映されるのも少ないだろう。いかにも女優、それも浅丘クラスでないと着こなせないようなドレス姿だったのも心打たれた。あざやかなターコイズアラベスク模様がこれでもかとプリントされたような衣装。そして白のパンツ。このような恰好を奄美の白浜や港が迎え入れたことは今までなかっただろう。けれど、それが浮かない。彼女が登場した瞬間、加計呂麻は映画『ベニスに死す』のラストシーンの渚に変貌した。浅丘ルリ子は自然をも服従させる。それを見れて、私は嬉しかった。


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