第15回「ヒロポン映画劇場」+リズ&ニューマン

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 現在発売中の「CDジャーナル」(音楽出版社)で映画コラムを書いています。「ヒロポン映画劇場」も15回目です。今回は『危険な情事』、ストーカーという言葉もなかった頃の一本ですね。昭和50年以前に生まれた人なら説明不要のヒット作。
 えーっと。今回はですね、いつにもまして……えー、私の文章を好きで読んでくださっている方に、是非お手に取っていただきたいんですね。ちょっと、これからはこういうものを書きたいというか、こんな文章を書いていきたいと思っています。映画解説のような、変種コラムのような、映画を通した時代エッセイというか。まあ、どうぞよろしく。
 さて、ちょっと最近気になったニュースをふたつ貼り付けておきます。


 いきなりですが、最も美しかった頃のエリザベス・テイラーを。こういうディグニティのある表情、最近の女優さんにはないですねえ。しかし何が凄いって、脇のカトレアに負けるどころか花のほうが霞んでいるのが、凄い。やってごらんなさいカトレアと一緒に写真撮って、存在感負けないって中々ないですよ。私はカトレアと写真撮ったことありませんが。そんなことはともかく、今日はこの人とポール・ニューマンのニュースから。まず記録として記事2つ。

 

○記録
【ロサンゼルス31日AFP=時事】女優エリザベス・テイラーさん(76=写真)の広報担当は31日、テイラーさんが病院で治療を受けていることを認めたが、危篤状態だとの報道はまったく根拠がないとして否定した。
 広報担当は声明を出し、「英国での報道で始まったテイラーさんの健康に関するうわさは誇張されており、真実ではない。病院で治療を受けているのは用心のためであり、すぐに自宅に戻る予定だ」と述べた。しかし、テイラーさんの具体的な状態や病院の名前は明らかにしなかった。
 英国の大衆紙は、テイラーさんは肺炎と心臓機能障害と診断され、容体が急激に悪化して生命維持装置が付けられていると報じていた。テイラーさんの健康をめぐってはここ数年、さまざまなうわさが飛び交っている。テイラーさんは1997年に脳の腫瘍の摘出手術を受けた。アルツハイマー病だとのうわさも流れ、2006年には米国のテレビに出演してこれを否定した。 〔AFP=時事〕(2008/08/01-11:10)


 [シネマトゥデイ映画ニュース 8月9日] 7月31日にニューヨークのウェイル・コーネル・メディカル・センターから出たところだという車椅子上の痩せた姿が報じられ、容態が心配されていたポール・ニューマンだが、ここにきて、余命数週間というショッキングなニュースがかけめぐった。
 デイリー・メール紙が伝えるところによると、ガンの化学療法を終えたポールが妻ジョアン・ウッドワードのもとに帰りたいと希望しているというもの。家族に近い友人は「ポールは病院で死にたくはないんだ」「余命数週間と聞かされてジョアンと娘は悲嘆に暮れている」と話しているという。
 ここ数週間、ポールは自分の遺産相続についても考えていたとされ、収益がチャリティ団体に寄付もされている、自分が所有するサラダ・ドレッシングの会社を、長男が引き継ぐ準備ができたことも先月報じられている。
 83歳になる伝説的なスターが、最後まで自分の望む通りに生きることを願いたい。

○リズ&ニューマン ここ最近、ハリウッド全盛時代の大スター二人のニュース、それも生死に関するトピックが報じられた。エリザベス・テイラーは「元気か、元気じゃないか」というニュース。そしてポール・ニューマンは「余命数週間?」というもの。なんだか、いろいろ、複雑な気持ち。
 その1:そっとしておいてあげればいいじゃないか、という気持ち。
あれですね、真っ当な意見なんだろうが、つまらない意見でもある。スターとしての格と業績が大きければ大きいほど、死ぬまで、いや死んでも放っておいてはくれないもの。今際のきわまで、スターとしてのノブリス・オブリージを全しなければいけない――それを二人はどう受け止めているのか。奇しくも『熱いトタン屋根の猫』で共演した二人だ。人間としての生き方は正反対といってもいいぐらいのリズとポール。けれど、ショービジネスという「熱いトタン屋根」の上に最後の最後までいるという点は、共通しているのだなあ。


 その2:過去の大スターに対するマスコミの扱いの違い
アメリカは特に、過去のハリウッドスターに対しての興味が強いというか、尊敬の念も深いというか。いやね、確かにハリウッドの中でも特別クラスの二人なんですけど、これが日本だったらさして話題にならないだろうなあ、と思って。この国は本当に映画黄金時代のスターに対して扱いが非情というか、忘れっぽいにも程があるというか。欧米はパパラッチも酷いけれど、往年のスターに対する敬意の払い方は、見習うべきところもあるんじゃないだろうか。芸能人は脚光を浴びることこそ栄養素なんだもの。だからといって、リズとニューマンが今回ニュースになりたかったわけじゃないだろうけれど。


1958年の映画『熱いトタン屋根の猫』より。リチャード・ブルックス監督作。この作品でポールはリハーサル中までのリズに「なんてわがままで不熱心なんだ!」とキレかけたそうだが、一転本番になるといきなり集中力を発揮し役になりきるリズに驚愕、こんな演技術もあるのかと感心したそうな。リズいわく「本番にならないとやる気が出ない」との至言。


○付記

みなさんお使いになったことはありますか、ポール・ニューマンのドレッシング。けっこう美味しいです。


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