『氷の華』 その1

舘は刑事役

 冒頭からやってくれました、テレビ朝日開局50周年記念番組『氷の華』。いやー素晴らしかった! 米倉涼子さんはピアニストという設定でしたが、ラフマニノフピアノ協奏曲をピアノだけで演奏しきる……そんな凄まじいことをノッケからやってのけます。壇上にはピアノしかないのにフィルハーモニック。オーケストラガンガン聞こえてきます。なんという素晴らしいツカミ! これは「なんでもありの虚構の世界にようこそ」というテレビ朝日からの招待状に他なりません。「期待できる……」私はほくそ笑みました。
 と、いきなりフザけた口調で書いてますが、それ以降はかっちり正統派のサスペンス。ツボを得たキャスティングで退屈せず2時間見せきり、明日の後編につなげる演出も手堅くまとめてます。以前のビートたけし主演『点と線』で堪能して以来、テレ朝の特番ドラマには結構期待しちゃうんですが、概ね満足。
 葉月里緒奈、鈴木杏樹高岡早紀南野陽子という、やたら平成初期臭のするキャスティングもたまりません。この辺の女優たちもいい具合にコクが出てきましたが、なかでも葉月里緒奈が出色。よく「苦労は買ってでもしろ」なんていいますが、それを実践されている方の凄さを思い知らされます。ひとりだけ「放出しているもの」が違います。圧倒的な負の情感。シオノギ製薬と深い繋がりをお持ちの鈴木杏樹さんに消毒してほしかったところですが、共演シーンでは鈴木さんが霞むほどに葉月さんの魔性感が強かった……明日も楽しみ。
 

○蛇足
 一点だけ、「どーして名前を名乗ってボイスチェンジャー使うんだ!?」というところだけノレず。冒頭、米倉涼子に嫌がらせの電話が入るんですね。私なら、ボイスチェンジャーなのになぜ名乗る……といぶかしんでしまうけれど、皆は気にならなかったのだろうか。


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