ドラマ『父の詫び状』と最近のあれこれ
日曜日、「NHKアーカイブス」で向田邦子の『父の詫び状』が放送されていた。あまりにも昔のことで殆ど忘れていたが、うーん……再見して、随分と辛い印象を持ってしまった。
脚本は、ジェームス三木。彼って……向田世界とはまったく相容れない感性の人じゃあなかろうか。
向田邦子が隠そうとするものを、彼はあらわにすることを好む。
表立って書かずとも、そこはかとなく匂えばよい――向田さんがそう感ずることを、前面に押し出してしまう。白か黒。ジェームス三木の書く脚本は、ひとことであらわせる「色」に敷き詰められている。
恋心や、思慕といった感情と、恥じらいや臆するという裏腹の気持ち。家族ゆえの窮屈さと理不尽、しかしそこにうまれる、不思議な心地よさ、愛憎ない交ぜの気持ち。
向田邦子の書くものは、パッとひとことでは言い表せない「色」に溢れている。喜怒哀楽をストレートに出さない、出せない含羞こそが向田世界の根本であり、欠くべからざるものじゃないだろうか。そこが、決定的に足りなかった。
などといって、ジェームス三木を貶めたいわけでもなんでもない。鮮やかで華やかな彼のドラマを、今まで幾つも楽しんできた。向田ファンとしての、軽ーいウラミが入った感想でした。
今日は、最近のあれこれ書きこぼしをメモがてら。こっからクダけます。
○いつの間に
「NHKアーカイブス」、司会が代わっていたんですね。加賀美幸子さんの声、好きだった……。どうでもいいが、あの方は慌てたり、ギャハハと笑い転げたりなさるんだろうか。髄から粗忽ものの私は、沈着にして聡明な風情の加賀美さんを日曜夜に見るたび、「なんとまあ人間の出来の違うことか」と軽く反省するような気持ちになったものだ。彼女のたたずまいは、「今週こそは地に足を着いた生活を」と発起する一助になっていたのだけれど。
マダム・安心感。そんなフレーズが脳裏に浮かびます。もしキャスティング・プロデューサーが出来るなら、この人にすごい詐欺師の役をやらせてみたい。騙された人が騙されたあとも「あの人に限ってそんなことあるはずない、何かの間違い」と思い込んじゃうような凄腕の。
○NHKの画面の片隅に
「アナログ」って出ませんか、ちっちゃく。嫌ですねえ、アレ。なんだか見る度「まだ、よろしいんですかァ……?」と上目遣いでNHK職員に訊かれる様な気持ちになってしまう。大きなお世話だ。
○ちゃん
『ガリベン!』という番組でやっていたが、「じっと我慢の子」ってフレーズあるでしょう。あれは昔のボンカレーのCMから来てるんですね。知らなかった。笑福亭仁鶴が『はぐれ狼』に扮していたCMだそうな。そのことはさすがに知らなかったが、「じっと我慢の子」という表現は、ツルッと口から出ることが稀にある。言葉というのは不思議なものだ。
○ジュリアナ、復活
ジュリアナ。私はまだハナタレ中学生のころ、テレビで踊り狂う女たちをボーっと見てただけですが……エイベックス20周年のイベントとかで一夜限りの復活。ゲストで青田典子、そして潜入リポーターで岡本夏生が登場。うおおおおおおお懐かしいなぁ!! 夏生さん相変わらずスタイルよろしかったですが
岡本「青田さーん! いかがですかージュリアナ復活!」
青田「あらーーー岡本さん久しぶりー!」
岡本「あなたひとり勝ちじゃないですかー」
青田「そんなことないですよー、岡本さんこっち(ゲストサイド)じゃないんですか!?」
岡本「サンデージャポンのリポーターなのよー。サンジャポジャーナリストになれたのよー」
青田「んまーお互い頑張りましょうねー」
もうこのやりとり、私しゃ涙なしには聞けませんでした。サバイバルだなあ芸能界。
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