「文藝春秋10月号」に物申す!

hakuouatsushi2008-09-24

 怒りに燃えている。
「20世紀世界の美女ナンバー1」と題された特集があるのを中刷りで知って、クラッシック・ムービー好きとしては見逃せんと思い早速購入したところ……!
 はい、ここまでズサンな編集者の仕事を久しぶりに見ました。まずハッキリいって、このページからは、女優への愛情なんてものはおろか、個々の女優の基本的な知識のかけらすらも感じられない。名女優たちの写真のセレクトが、ひどい。ひどいなんてえもんじゃない。
「ふざけんなよ! もっと、もっと、この女優さん綺麗なんだよ!!」
 何度そう呟いたことか。社の「ありもの」で安く仕上げたい、というページじゃないのだ。クレジットからすると高いお金を出して写真を借りているよう。なのに、あのザマ! 
 ジーナ・ロロブリジーダなど、あの写真を「世紀の一枚」に選ばれたと知ったら激昂して訴訟起こすんじゃないか!? なんだか軽く老けた写真選ばれちゃって、可哀相ったらありゃしない。
 断言してもいいが、この編集者は絶対彼女たちの作品など見ちゃいないはずだ! 写真のセレクトに愛も、芸もないんだもの。「こんなもんかな」という気持ちで選んでるのが、伝わってくる。「この女優の美しさを伝えるなら、絶対これ!」という「断言」が聞こえてこない。そういうものがなければ、グラビア写真は選んじゃいけないのだ!
 ソフィア・ローレンの写真がいい証拠。ソフィアが世界に愛された理由の微塵も映ってない写真選んでいるんだもの。取り澄ましたかわいい写真、多分デビュー当時だと思うが……彼女ってもっと動物的で、開放的で、イタリアのマンマの強さと朗らかさと都会性がふしぎに同居していて……せめて直球に『ひまわり』の写真でも選んでおけばいいものを!
 さらには、色校チェックが悪すぎる!
 グラビアページというのは、世の中に出る前に「色味」のチェックがあるんですね。人肌の色、肌の質感などをチェックして、印刷所に「もっと綺麗に」「赤味強い、抑えて」なんて指示を入れるわけです。口をすっぱくして細かい指示を入れない印刷所ってのは手を抜くんだこれが。
 ここも、ひどい。イングリッド・バーグマンはヤケド治りたてみたいだし、カトリーヌ・ドヌーヴは一杯ひっかけてきたみたいな赤ら顔、エリザベス・テイラーにいたっては人間味のかけらもないような肌感で……。
 こういう企画は、映画への誘いにもなれば、興味をなくさせる悪いきっかけにもなる。もっと慎重に、心をこめてつくってほしい。



 名誉のために、一番綺麗だった頃のジーナ・ロロブリジーダを。そしてさらにこれまたヒッドイ写真、肌感がヒジョーに悪い仕上がりで可哀相なヴィヴィアン・リーの美しい写真を。


○追記
本文の各界大アンケートは面白く読んだ。双葉十三郎さんがお元気で嬉しい限り。ルイーズ・ブルックスとかクララ・ボウなんて名前が出てきちゃうところが、さすがでございます。


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