小室哲哉、逮捕さる---まつわる雑感

TK

 驚いたのは、顔だ。
 あれは小室哲哉であって小室哲哉ではない。あそこまで変わるとは……よく、成功と引き換えに悪魔に魂を奪われる、なんてストーリーがあるでしょう。魂を売った、とかそういうことではなく、何か人間の根本にあるエナジーや自信、「よりどころになるもの」がすべて霧消してしまった顔……そんなことを、瞬間思った。彼を庇護する気もないし、まーったくファンでもなかったけれど「いたわしい」と咄嗟に思ってしまった。お金はまた稼げるが、そういったものはリクリエイトできるものじゃないから。


 やつれ、とか憔悴、自信喪失といった類いとも違う。自白の早さからも明らかだけれど、あれは「悪いことを悪いと思ってやっていた人」特有の顔だ。悪に呑み込まれちゃってるんですね、すごくつまらない言葉でいえば、「呵責」を繰返していた顔。「こんなことしてていいのかな」と思いつつ、「今日寝れれば(ひとまず)それでいい」と睡眠薬を飲み続ける不眠症の人の顔、それの超・進行形の顔のように思える。
 問題は、髪の色だ。私は、1:顔にシワが目立ち始めたにも関わらず、2:「ロング・ハード系の脱色&ヘアカラー」をしている、3:「男」というのを基本的に信用していない(小室哲哉も私に信用されたかないでしょうが)。そういう人たちは基本的に「過去」に拘泥している。若かった頃、というか自分が自分的に一番「イケてた」ときの時点で「何かが」止まっている。それは客観性を失っている証拠だ。
 客観性の喪失と悪に飲み込まれない強さ……3:「男」というのがポイントだ。「女」はこの限りではない。なぜなら女というのは(特に働く女)、基本的に客観性を要すイキモノではないからだ。「それでも私は自分が好き」という強さがあれば、客観性は要らないもの。
 小室哲哉がゲイだったら、エルトン・ジョンのように強く富を保持し続けたかもしれない。

 
 その昔、謎の英語表現を多発していた小室哲哉ですが……「Body feels exit」なんて今の心象を先取りしていたとしか思えませんね。はい、編集出身にありがちな当て込みです。人生のあらたな「DEPARTURES」を迎えた小室哲哉、出所後の復帰パーティでは、それでも私を「CAN YOU CELEBRATE?」と熱唱していただきたい。後ろから登場、スペシャルゲストに華原朋美さん、和田アキ子さんの名曲をカバーで「もう一度ふたりで歌いたい」、吉田麻美さんそれでも私は払ってもらうわ「お金をちょうだい」(美川憲一の歌であるんです本当に)、そしてKEIKOさん涙の熱唱「いいじゃないの幸せならば」! はい、ベタですね。失礼しました。


○追記1
さっき「ロング・ハード系の脱色……」うんぬん書いてましたが、これの偉大にして最大の例外が高見沢俊彦さんです。


○追記2

彼の栄枯盛衰がうまくまとまってたので、ちょっと記録として貼らせてもらいましたが……私、こーいうの見るたびに「ああ……来年度の版では細木数子センセイが運気解説なさってるんだろうなー」と思ってしまう。この年は「達成」だったから長者番付も1位、ビッグヒットね。でも「立花」ここでこんな人と組んだからよくなかった……とかなんとか。ノストラダムス
 96年から全国の高額納税者番付で2年連続4位になり、米ロサンゼルス郊外の海を臨むマリブの一等地に敷地面積1万9800平方メートル(約6000坪)の豪邸を購入。テニスコートやプールの施設も充実し、一方で都内の超一等地にスタジオ用の土地を購入した。ロスへの飛行機はファーストクラスを貸し切り、好きな高級外車も買いたい放題。2億円以上のベンツやスポーツカー、豪華クルーザーも手に入れた。
 ところが96年、世界のメディア王、ルパード・マードック氏と提携し、アジア進出を目指す合弁会社「TKニューズ」(後のロジャム)を香港に設立したことが転落のきっかけだった。資本金1億2000万円を小室容疑者が1人で出資。アジア最大の音楽プロダクションを目指し、小室容疑者も投資し続けた。一時は小室容疑者のために5人の秘書が置かれた。しかし、ヒット曲に恵まれず、株価も下がり続け、70億円ともいわれる負債を抱え事業から撤退した。また、02年には歌手吉田麻美と離婚。7億円とも言われる慰謝料も追い打ちとなった。
 00年以降、CDが売れない不況に加え、小室サウンドも下火となりヒット曲に恵まれなかった。
(日刊スポーツ11月5日配信より抜粋)


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