和田アキ子発言から思うテレビの「ホンネ」の無さ

「キャメラさん」

SMAPなんて2曲も歌ってんのに私なんてイントロカットやで」
和田アキ子:コメント(30日、『アッコにおまかせ』にて)<紅白出場歌手決定、のニュースを受けてのコメント。紅白で歌う曲は自分で決められない、すべてNHKの依頼によって決まる。私だって新曲を歌いたい、あの人は新曲歌えるのに、どうして私は歌えないの……ってな流れのコメント>


 ポロッと漏れた本音……というか、「不用意なボヤキ」程度の発言だった。けれど……わたしゃなんだか和田アキ子のことがちょっと好きになってしまったんですね、この発言で。
 今テレビで、ジャニーズに対して文句をいえるなんて、希少だもの。たいしたもんだもの。体、張ってるなーと思う。立派だとすら、思う。
 なんたってジャニーズ様だ。罪を犯してもニュース番組で「容疑者」とも呼べない「聖域」なんだもの。「超法規的」な方々なんだもの。うーん……思いっきりオーバー&誇張だが、和田アキ子のほうがテレビ局なんかより、よーっぽど「ジャーナリズム」じゃないだろうか。
 あはは、なーんてね。もちろんジャニーズを非難することが彼女の主義主張じゃないことは百も承知なんだけどさ。


 この「アッコにおまかせ!」での和田アキ子の立ち位置、「芸能ご意見番」みたいなスタンスには批判的な向きが多いのも、当然解る。あの、アナクロな「お山の大将」的ムードと周囲の持ち上げ方が鼻についてならない、という人が多いのも仕方ないとは思っている。
 けれどねえ……私は最近のテレビの「ホンネのなさ」加減が……「嫌だ!」っていうほど(今の)テレビを愛してるわけでもないし、つまらないとも情けないと思うほどテレビに肩入れしてるわけでもないのだけれど……と、歯切れ悪いな俺。

 
 いや、あのですね。最近某動画サイト(Yからはじまるアレです)で25年前頃の「笑っていいとも!」の「テレフォンショッキング」が大量にアップされてたんですよ。それこそ2年分ぐらい。
 ついついズーッと深夜いっぱい観てしまったが……まぁーーーーーーーーーー面白かったんだこれが。ゲストもタモリも、言いたい放題・やりたい放題。「お昼」の時間帯でこんなにハプニングというか、いきあたりばったりというか……要するに人の「ホンネ」がありありと語られ、見事なテレビ・パフォーマンスとなっていた。
(この辺のサンプルを上げだすとキリがない。有名な黒柳徹子有吉佐和子の両氏がしゃべり倒して帰らなかったため他のコーナーが出来なかったいいともジャック事件とか、タモリが苦手と公言して憚らない小田和正登場の回での無言トークやら、樹木希林加賀まりこ、大友柳太郎など超・個性派の面々による進行などガン無視のマイ・ペースぶりなどそりゃまあキラ星のごとく)


 あれまあ。こんなにテレビって面白かったっけか!
よく「昔の○○はもっと面白かった」と若い子に語るジジババ連ほど嫌いなものはないので、ぜーったいに(そう思っても)いわないようにしてるんだが……悲しくも「フリートーク」に関しては、昔のほうが「上」だ。少なくとも「安全パイ」に徹する人は圧倒的に少ない。
 そういう意味で和田アキ子ってのは数少ない「ホンネ・シーラカンス」ではないかと。
 周囲が「こういうネットの世の中だもの」「炎上怖いし」「さわらぬ神にたたりなし」「テレビではいい子でね」と小賢しく「大人のふるまい」に徹する中、どんどこオンエアでホンネを吐いて頂きたいな、などと思ったわけでした。それでこそテレビ・ショーであり、「アッコにおまかせ!」というタイトルが羊頭狗肉ではないという証明に他ならないわけで。
 だからまあ、「私はシンガーですから」という発言にボヤくネット住人の気持ちもわかるんですけどね。シンガーのシは「スィ」と発音してください。今日も長々失礼しました。


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