「ガラスの仮面」43巻
貧乏で吝嗇ゆえなのだけれど、なくなったシャンプーをすぐに捨てられない。すぐに詰め替えられない。くるくるポンプのところを外して、お湯をいれて、振ってまた使っている。
一度にお湯をいっぱい入れないのが、コツだ。ちょっと入れて、シャカシャカ振って。これで、2〜3度は使える。
中の水がなくなって、もう一度同じことを繰返す。気合いを入れてシャカシャカ振る。『カクテル』のトム・クルーズをイメージしてシャッカシャカ振る。ほとんどムース状の液体が出てきた。充分汚れが落ちるんだ、これが。
さすがに3回目には、完全に泡立たなくなってしまった。
『ガラスの仮面』最新刊を読み終えたとき、この「3回目のシャンプー」をなぜか思い出した。
○○○○○○○○○○○○○○○○
ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)
- 作者: 美内すずえ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/01
- メディア: コミック
- 購入: 5人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (143件) を見る
「そりゃあ出せないっしょー」
「だよねえー」
「美内先生だものー」
「でも売れるんだって、売れれば官軍!」
こーいうツマラナイ「正論」を知った顔でいう人、多いんだろうなあ。しかし、だからどうした! 私は読み終えて、ショージキに腹が立ったのだ。これほどまでに、なーーーーーーーーーーーーーーーーーーんの進展もないとは! もしかしてこの本は「人間の行動学における『思わせぶり』と『じらし』その方法論と意味」とかいう論文の一部なのだろうか!?
ページのすべてにデジャヴ感があるというのも、ある意味、すごい。今までは「もはやこれは伝統芸能」「これはもはや特別保護紙媒体」などと軽―く面白がって、今まで与えてくれた熱中を思えば「発刊されるだけで、ありがてえことだ、ありがてえことだ」受け止めていられたのだけれど……なぜか今回はトサカにきてしまった。
43巻、これすべて「前の単行本のなぞり」といって差し支えないもの。紙とペンを使った「パフォーマー」じゃないか、俳優でも歌手でも漫画家でも、一番「みっともない」のは自分をなぞることだ。そして共同表現者である編集者(裏方だが、編集と漫画家は表裏一体、私はそう思っている。そうじゃない編集者も山ほどいるけれど)が、それを恥ずかしいと思っていない。「玉稿をいただければそれで」という精神が見え隠れする嫌らしさ!
そこに一番、カーッといきり立ってしまった。分かっている、青くさい怒りだ。格好のいいものではない。けれど、書かずにはおれなかった。
☆28日更新・こちらもよろしく→「私の渡世・食・日記」
○お知らせ
ブログランキングに登録。 どうか1日1クリック↓を。
http://blog.with2.net/link.php?198815
ご意見などはこちら→hakuoatsushi@yahoo.co.jp