迷走を続ける『だんだん』

平が不思議に大き過ぎる

「収拾がつかなくなってる……」


 そんな思いを、あなたも感じてらっしゃいませんか。いやーNHKの朝ドラ『だんだん』ですが……どーなっちゃってるんでしょうか。私、久々に観ましたが、ビックリ。


 ダメですねえ、主人公をブレさせちゃ。双子だけに話を集中すりゃあいいのになあ。今日なんて双子の片割れ・のぞみの「祇園時代の先輩の恋愛話」なーんてやってるんだもの。サブキャラを走らせる(サブを半メインとして扱う)なんて、その昔1年間朝ドラやってた頃ならともかく、半年の期間じゃ話を薄めるだけだと思うんだけどなー。
 最近の展開をちょっと整理してみましょう。


1:双子、デュオでいきなり成功。そもそもこれがおかしい。


2:ヒットチャート驀進。しかしめぐみ(島根のほう。舞妓じゃないほう。「そげかね」っていうほう)が「事務所が押しつける音楽性が違う」というなんともアーティストな理由により一方的にステージで解散を宣言。
 誰にも相談なく強行採決自民党みたいなめぐみですが、あっという間にこの問題は収束します。この辺見てなかったのでよく分からないのですが……私が兄妹なら何年間かは絶対に許しませんけどね。


3:舞妓のほうがソロとして活動。ホリエモンのような髪型のタンバリンがマネージャーに。どうでもいいけど、一番の被害者はギターの男の子(東島悠起)ですね。出番消えちゃって……。
 さて、こっからますます変になってきます。


4:双子の実母・祇園の芸妓(石田ひかり)に恋愛話が勃発。突然あらわれるIT社長(平岳大)、ひかりの茶屋で「この店は最後にうまいシジミ汁を出してくれるんでしょう?」何をいったい言い出すのかと思いきや、「うまいなあ。うちの会社で取り扱いたい」とITなのか魚屋なのか分からない展開に。もちろんシジミを扱うのは別れた旦那、吉田栄作


5:さてソロシンガー、「売れへんなあ」と事務所の社長が業を煮やす。「そや、元舞妓なんやから舞妓の格好で歌い。話題なるでえ」と命令されるが、「できまへん!」と反発して退職。売れるためには何でもするっていってたのに……。


6:こうしてる間にもIT社長はひかりに猛アタック。しかしITっていう設定の時点で後の失脚が見えるかのよう。


7:こんなもどかしい展開に疲れたのか「花むら」(ひかりの所属する置屋)の女将、藤村志保が倒れる。えらいリアルな倒れ方だったので本気で度肝を抜かれた。


8:ひかりが代理女将に。


9:置屋の若い芸妓がならぬ恋に悩んだり、舞が上達しなかったりで、代理女将てんやわんや。


 今、実質上のヒロインは石田ひかりです。双子、助演状態。「どうしまひょ」プッシュの強い社長はんに悩むひかり。けれど……実は心はまだ昔の吉田栄作にあるんどす。うん、いっそのこと双子、「なかったこと」にしちゃうのはどうだろう。ひかり主役。フレッツひかり。そう、橋田壽賀子先生お得意の「ニューヨークにいっちゃったのよ」方式でいなくするとか。「渡る世間は鬼ばかり」で沢田雅美山岡久乃の急な降板の際に使われるアレですね。
 いや、ジョーダンじゃなく主役の華ってんですかね、石田ひかりがあり過ぎるんだなあ。出てくるだけで喰っちゃうんだもん、双子を。ていうか……朝ドラ史上で主役ではなく、「おっかさん」が恋の板ばさみに(何週にもわたって)悩んでいるなんてことがあったろうか。これから栄作の今の妻、鈴木砂羽が出てきて「別れるから……私」とひかりに迫るんだそう。陰のある役をやらせたら天下一品、砂羽の芝居が楽しみ。これはこれで必見!


○追記
藤村志保の女優根性に唸らされてます、私。すごい。ただ今志保様、役の上では入院されていますが……アップの髪をおろし、浴衣で、そして多分「すっぴん」に近い感じでベッドに寝ている姿を、きちんとテレビにさらけ出している。
 いや、なっかなか出来ることじゃないですよ! 「えええあんた病人でしょう!」ってツッコミたくなるぐらいキチ――ッと綺麗にして「病人」やっちゃう女優さんが多いのに、藤村志保は違う。はっきりいって、女将然として髪を結い上げ、着物姿のときよりも、そりゃあ老けてみえる。そういうことを厭わない彼女の姿勢が、好きだ。見事だ。


○追記2

くだんのIT社長、平岳大が演じています。そう、平幹二朗佐久間良子のご子息。常々「幹二朗そっくり」と思ってましたが……佐久間さんに「おでこ」の形が似てますね。小さな発見。


9日更新・こちらもよろしく→「私の渡世・食・日記

○お知らせ
ブログランキングに登録。 どうか1日1クリック↓を。
http://blog.with2.net/link.php?198815
ご意見などはこちら→hakuoatsushi@yahoo.co.jp