私の好きな本屋 その1
ここ数年、面白い本屋さんが増えている。
大きなグループの本屋が増殖する一方、個性際立つ独得の本屋が増えてるなーと感じてるんですよ。
と、ここでいきなり超個人的な話になってしまうんですが……私は普段なるべく、本を買うときは個人商店で買うようにしているんですね。
最近、町の本屋さん、それも個人商店がどんどんなくなっているのが、さびしいのだ。
個人商店の本屋と本好きの間には、独得のコミュニケーションが生まれる良さがある。それは対峙でもあり、対決でもあり、(つまらない言葉だが)教育的側面もあり。
そういうことを昨日書こうと思ったんだけど、全然うまく書けなかった……読み返して余りにひどかったので、消してしまいました。読んでくださった方、すいません! そのへんのことは、またいつか。
個人商店ではないのだけれど、最近気に入ってる好きな本屋を、至極勝手な、一方通行な愛情と応援を込めて、ちょっと紹介してみたい。
あらためて、今日から私の好きな本屋について。第一弾。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □
京橋にある「イナックス・ブックセンター」。
そう、あのお手洗い関連の会社であるイナックスがやっている本屋さん。別にトイレ関係本の店じゃありません。
「建築・デザイン・インテリア関連の本を集めた本屋」
との説明が入り口に。
この本屋さんは、「暮らし」という文化を、実に丁寧なブックセレクトで我々に提示してくれる。
例えば日本の暮らし。
近い例で昭和でいくと、写真家が残したイメージとしての写真集が置いてある隣に、随筆としての昭和史、沢村貞子さんの『私の浅草』や向田邦子さんのエッセイの数々がある。
写真という「画」で提示される「舞台」。そこにあった「匂い」や「香り」、「空気」というものを描いた文章の数々。画で「読む」昭和と文で「観る」昭和。そしてさらに、川本三郎さんの書かれるような都市論としての昭和史。点と線と、それを結ぶもの。うーーん……つまらない表現ですが、多角的に、様々な暮らしの文化が味わい、知れる。
なんかですね、本の配置が絶妙なんですね。
「あ、これ読みたかったんだ」
と、手に取ると、その隣や脇に
「あれ……これも面白そう。これも興味あるなあ」
と、思っちゃうようなタイトルや装丁の本がポロポロ出てくる。なんというか、
「あ、それ好きなの。じゃあこれもいいよ?」
そんな感じで、もの知りのセンパイが声かけてくれているかのような本屋なんだわ。
なんだか、「う、うわ。なんだか自分の好きそうな、ほしそうなセレクトが並んでる!」と軽くコーフンする本屋ってあるでしょう。
「この棚の平積みした人、自分と趣味一緒かも」
と思える感じ。私はここに来るといつもそーいう気持ちになる。
食に関する本が多いのもいいですよ。
そうそう、こないだ、これに強く惹かれた。
- 作者: P.スミザー
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
京橋は銀座の隣町だけれど、足を伸ばされる方は案外少ないと思う。松屋から歩いて5分ぐらいだ。興味をもたれた方は、是非。
☆・こちらもよろしく→「私の渡世・食・日記」
○お知らせ
ブログランキングに登録。 どうか1日1クリック↓を。
http://blog.with2.net/link.php?198815
ご意見などはこちら→hakuoatsushi@yahoo.co.jp