国立劇場にて

校倉造の建物

 先日、とある伝統芸能イベントの手伝いで国立劇場を一日ウロウロ。


 歌舞伎や日本舞踊、文楽といった公演が主に行われる劇場です。


 駅でいうと永田町と半蔵門のあいだぐらい、三宅坂にたたずむナショナル・シアター。




 目の前は皇居のお濠、隣は最高裁判所。中は江戸時代。




 ちょっと裏をのぞいてみましょう。









 まず楽屋の入り口、歌舞伎座もそうですが、楽屋口には神棚があります。
 毎日のように会主から供えられる日本酒。国立劇場というのは毎日のように様々な流派の舞踊会が行われます。単純計算でも100本以上の一升酒が毎月お供え。いったいその後どーするのだろう? 事務の方に訊いてみました。
「大道具さんやスタッフで頂くことも勿論ありますし、ある程度たまったところで歌舞伎の役者衆が持っていってもらったり」
 ふうんなるほど。いきなりヘンなこと訊いてすみませんでした。




 これが舞台の真裏。大きな布の向こうで芝居や踊りが行われます。




 その後ろ。


 布の向こうは役者の世界、こちらは大道具さんの世界。みんな上下黒の服を着てカナヅチやクギのたくさん入った袋を腰ににブラ下げています。女の人も多いんですよ。




 舞台からすぐ引き上げたところ、楽屋に繋がる通路には衣装方(いしょうかた)さん、かつら屋さんの部屋があります。こんなふうに肌襦袢が干してあったり。ちなみにかつら屋さんは床山(とこやま)さんと呼ばれます。





 この中には何がはいっているでしょう。


 


 全部かつら。ちなみにこのよくみる珊瑚のかんざし、「紅カン」と呼ばれます。





 大劇場の長い廊下。つい三月(みつき)前までここを藤間紫さんが歩いていたのに。





 楽屋のれんがこの廊下にたくさん揺れています。藤間や花柳はその名のとおり花をあしらったもの、坂東や西川は紋をかたどったり。ジャパニーズ・グラフィックデザインの妙。


 縮緬(ちりめん)独得のフワリとした風のなびきを見ると、劇場に来たなあ、という実感が私はわくのです。
 




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