姜尚中にまつわる一つの妄想

姜 尚中

  先生、私……妄想癖があるんです。
 ええ……しかも、めっちゃ、くっだらない。バカな妄想ばっかり。
 先日もですね、テレビ見てたら……政治学者の姜 尚中(カン・サンジュン)さんって、ご存知ですか。


○その方が、どうしたの?


 NHKの日曜夜にですね、『日曜美術館』という番組があるんです。この先生がなぜか司会をしてるんですけどね、ええ本業は政治学者なのに。それはさておき、えっらい…………「美声」なんですよ。なんか……「無駄」に、美声なんです。
 はい、無駄なんていっちゃ失礼ですよね。でもね「フランク永井」も真っ青ってぐらいの低音の魅力。『有楽町で逢いましょう』歌ってほしくなりますよ先生も聞いたら。この番組、替え歌で『日曜8時に逢いましょう』とかオープニング・ソングにすればいいのに……姜先生、魅惑のヴェルベット・ヴォイスではじまる『日曜美術館』……『相田みつを美術館』よりも胡散臭い……。
 この先生がまた、ちょっとインテリ系の「いい男」っぽいというか。さらには学者らしからぬおしゃれさん。「Pen」とか読んでそう。開襟シャツ+ブルゾン、第一ボタン開け+上質そうなジャケット、こんな「いでたち」が多いんですよ。髪も「ピッシリなでつけ」なんてするわけもなく、ヘアクリームとかで軽くまとめてるような印象で。
 それで、あの声。


○で、あなたの妄想ってのは?


 本当にくっだらないのは百も承知なんですね。
 でも……
「奥さん……」
 とか、そっと耳元に囁いたらさぞかし結構だろうなと思うわけです。絶対似合う。なんかのパーティ会場で、先輩教授の綺麗な奥さんなんかを口説くなんてシチュエーションでひとつ。
「抜け出しましょう……奥さん」
とか言わせたら巧いと思うんですよねえ。
「あなたは、美しい……」だの
「君は、罪だ……」だの絶対似合う。奥さんもうメロメロ。とどめは「ジュテーム」ぐらい呟いて。


○いい加減にしなさい


 って、なんでこんなに姜先生で妄想してんでしょう私は……本当にすいません姜先生。でも先生、あなたは「細川俊之」クラスの美声の持ち主なんですよ。それを活かさない手はありません。いや教授の奥さん口説けっていってるわけじゃないんですけど。同じNHK、ひとつ、『サラリーマンNEO』あたりから「くだけて」みませんか先生。「セクスィー部長」ならぬ「セクスィー教授」。先生の呟きでみんなイチコロ……って本当に無責任……。


 しかし、勿体ない! 美声の超・反エコだとすら思う。東大教授で、学者で、超・美声。なんというポテンシャルだろうか。
 しかし、このポテンシャルを絶対に本人は望んでいないだろうというところが、ああ、無駄だ。



○追記
 美声というか、また「無駄」にいい声の人が「雨上がり決死隊」の宮迫博之。人気サイト「魅惑のモナムール」のホスト・モナたんもネタにしていたが、NHKのドキュメントでナレーションをやってたのですね。私も偶然見たが……いやー驚いた! 超・上手。あんぐり。
 失礼ながら、テレビで拝見するような「リアクション業・司会業」よりも、遥かにプロフェッショナルな出来栄えだと思う。なので、「無駄」なんて書いてしまう。すいません。
 でも、本当にうまいんだもの。余計な抑揚や感情をつけがちな俳優のナレーションよりも、格段に上。なんのトレーニングも受けずやっているとしたら、そら恐ろしいほど。



○さらに追記
 『日曜美術館』ではかつて、司会がNHKアナウンサーの野村正育、そして壇ふみというコンビ時代があった。私は最初に二人が並んだ絵面(えづら)をみたとき、「見事!」と唸ったものだ。古式ゆかしい「NHKごのみ」を絵に描いたかのよう。「ご清潔で……ご誠実で……」美智子様流にいえば、そんな空気が晴れやかに漂っていた。最近とみに「実生活のコメディエンヌ」ぶりを吐露しがちな壇嬢、本領発揮とばかりに「清楚&おしとやかモード」で進行をこなすこなす。久々に「自家薬籠中」なんて古めかしい表現を思い出した。「久しぶりに出してみた女雛男雛」(褒めてるんです)といった風情で、実に結構だったのにな。



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