大倉集古館
昔、坂東玉三郎さんにお話をする機会を得た。
演劇や舞踊のことはもちろんだけれど、美術のことについて、私は伺いたくなった。周知の通り、玉三郎さんは古今東西の美術に深い見識をお持ちだ。
私は、玉三郎さんが好きな「場所」としての美術を知りたかった。
「雰囲気を含めて、お好きな美術館や博物館って、どこですか。日本で」
いうまでもなく、美術館は作品を観るだけのところではない。そこに居ることが、「美術と対した」と感じられる場所が、いい美術館だと私は思っている。暫く考えられてから、彼はこういった。
「大倉の美術館、いいですよ」
○大倉集古館
ホテルオークラの本館前にある美術館。その名も、大倉集古館。玉三郎さんが愛する中の雰囲気は、ぜひ探訪のほどを。今日は、この裏手にはある裏庭のことをちょっとスナップメモ。
庭といっても本当に小さなもので、サーッと足を止めず歩いたら4分も掛からないと思う。けれどなかなかに風情があって、もしホテル・オークラに行くことがあったら一回りして損はない。ちなみに、庭は入場無料。
これが入場門を入ったところ。中国風の建築で、築地本願寺や平安神宮の設計者、伊東忠太によるもの。
正面入り口にある菩薩様なんでしょうかね、本当は象に乗ってらっしゃいます。
竜神様。こういう像が小さな裏庭のあちこちに配されてます。
水甕には睡蓮が。
木陰のなか佇む像、文字どおり苔むして。
ホテルオークラ。千代田の国立近代美術館や帝国劇場を設計した谷口吉郎によるもの。ここのロビーは本当に素晴らしいと思う。別館のこぢんまりしたロビーもいい。
○付記
もはや、梅雨だ。降ってるんだか降ってないんだかな雨がエンドレスに続く。半袖だと肌寒く、長袖で地下道に入ると暑苦しい。しかしスーツ族の方を思えば、そんなイライラも不遜に思える。面倒くさい季節だ。
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○お知らせ
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