勝手にヤサブロー日記・1
先日の『踊る! さんま御殿』で深く納得。
チュートリアル・徳井義実が服を買いにいったときの話。ショップの店員(男)が近寄ってきてひとこと。
「こちら、今とても人気なんですよ」
ここで彼のプチ怒り。
「俺は……人気があるからって買ってしまうような主体性のない人間だと思われたのかーっ!?」
そういう怒りのツボもあるのか。さらに彼、とある服を広げてみていたら
「あ、それ売れてますよー。僕も、持ってますしね(ニコッ)」
徳井激昂。
「お、俺は、おまえにあこがれてへーーーーーーーーん!!」
確かに。こーいうこというショップ店員っているんですよ。「自分もそれの青、買っちゃいました」とかなんとかね。ご本人悪気はないんだろうが、それによってどーいう付加価値をつけようとしてるのか。そこで「じゃやめます」ってのも言いにくいよね。妙に胸のつかえが下りた一言でした。
さてヤサブロー日記、一回目。
(この日記の起こりは→こちらへ)
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「でんきあめ」池田弥三郎さんの6月13日の日記より
〜縁日の「でんきあめ」も、このごろでは「わたがし」などと名をかえて、おつにすましてしまった。衛生がやかましいからだろう。ポリエチレンの袋などに入ってすっかり出生したかんじである。
〜私の立ちぐいは、縁日のでんきあめからはじまる。
(子供の頃、兄上と一緒に縁日のでんきあめを買った池田先生。紙袋に入れて持って帰る途中、友人に出会い「早く食べないと溶けるぞ」と。慌てて食べたが、兄上は食べなかった)
わたしが手ぶらで帰ってきたので、母は何を買ったかと聞いた。私は途中で(中略)母は兄のでんきあめを袋から出してみせて、そら、この通り、とけてやしませんと言って、立ちぐいをしたわたしをひどくしかった。
(14日)
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昔は「でんきあめ」、といったのですね。
日本語は英語の「cotton candy」を直訳したもの。20世紀の直前に発明され、1904年のセントルイス万国博で有名になったお菓子なんだそう。
池田さんいわく、昔は自転車のペダルをこいで、それを動力として器具がまわし、あめを割り箸にまきつけたんだとか。動力の差こそあれ、出来上がりは昭和のはじめとまったく変わっていないだろう。そう思うと、息の長いお菓子だ。
14日の文章はどうだろう。簡素な文体だが、膨れっ面の池田少年が目に浮かぶようだ。澄ました兄上の顔も。何よりも、自分の「躾」に迷いのないご母堂(と、ちょっと古風にいいたくなる)がいい。
私は、わたあめ(っていいますか? わたがしっていいますか? 関西と関東で違うよう)というものが、あまり好きでなかった。なにしろ「食いで」がないし、箸を持つ手がベトベトになる。
でも、あの割り箸にまきつけるさまを見のは好きだった。
ある日の縁日、わたあめの屋台で買うでもなくボーっと眺めていたときのこと。口を開けて見ていたのだと思う。ほんの少し巻きつけたところで、おじさんが笑って、小さなわたあめを差し出してくれたことがあった。あのとき私は、いただきます、ありがとう、といえただろうか。
ひと口でなくなったわたあめが、せつなかったことを覚えている。もうおじさんは、こっちを見てくれなかった。
○付記
『サザエさん』の「フネ役」でおなじみ、声優の麻生美代子さんが急病で14日の放送に出られなかったという。翌週21日には復帰というから一応安心だけれど、不思議に動揺してしまった。83歳、ご快癒をお祈りします。
☆こちらもよろしく→「白央篤司の独酌日記」
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