月丘夢路、森光子、九月歌舞伎〜最近のこまごま列記

 さすがっ!!!




 坂東玉三郎を座長とした、七月大歌舞伎のチケット状況。
 試写で東銀座に行ったとき「さぞかし売れておろうのォ」と思い、ノゾいてみれば。3日の時点でこれ。いやはや、儲かってまんなあ……。
「みなさんがそんなに愛してくださってるとは知らなかった、取り壊し、一年延長します!!」
 やってみたらどうでしょう。商店街でずーっとやってる「閉店セール」のように。 
 冗談はさておき、泉鏡花の『天守物語』、そして『海神別荘』を昼夜でやるという、玉三郎渾身のひと月。今週私も行ってきます。


 さて今日は最近のあれこれをパラパラと、ふるあめのごとく。



月丘夢路


 発売中の『家庭画報』を見ていたら、女優・月丘夢路の近影が。


 いやーーー、お美しい! お世辞抜きで、そう思う。
なんといっても、まだまだ「目」に力がある。
 はい、もちろん比較として「あのおかた」が私の念頭にあるわけだが、そのことはまた後で。
 目に力がある、というのはストレートに「生気」という意味でもあり、女優としての「華」という意味でもあり。なんかね、「ゴージャスっ!」って感じが、ちいとも衰えてないんですよ。ページ開いた瞬間「おおっ!」と声出しちゃったほど。
 そこに「無理感」がないのがいい。伸ばしちゃって・縫い合わせちゃって・お注射ポンポン、という「美の蟻地獄」とはご無縁のよう。さらには「健在を見せつけるわよ!」という変な気負いも感じられないのが、もっといい。
 これってやっぱり……「高麗人参」の効果なのだろうか。月丘夢路さんがCMキャラクターだった高麗人参サプリメントだかなんだか、ちょっと前まで、週刊誌の3分の1広告の定番でしたが……まだ売っているのだろうか。



小津安二郎監督作『晩春』より。右は原節子


 さて、「あのおかた」のことを。


○森光子、国民栄誉賞の受賞会見



「女優の執念を見た」

 知り合いの編集さんから興奮気味のメールが届く。
「すごかった。語り口に元気が戻っている。よっぽど凄い治療をしているのだろうか」
 授賞式に列席したそうなんだが、その闊達ぶりに驚いたというのだ。


 こーいう仕事をしていると、いろんな噂を聞く。意味なく和田アキ子流に呼んでみますが、「モリッチ」の回復ぶりの原因は、各方面で様々な憶測を呼んでいる。その内容はとてもここには書けないが……(もったいつけて、すみません)、なんだかですね、こーいう「憶測を呼ぶ」という状況こそが、いいじゃないか、女優じゃないか、これこそ女優だ! 
 と、ひとり喜んでしまう。
 最近って、なーんでもご自分からすべてを披露する「自称・女優」ばかりでつまらない。謎があるひとが多いほうが、芸能界は面白いのだ。幸せ部分は延々と披露して、離婚は親と事務所に任せた藤原紀香なんて論外。苦境を演じ切ってこそ、女優だ。


○それよりも驚いたことは



「再来年で初舞台から50年ですから、それまでは」


 森さん、順調に行けばあと2年は観られます。こっちのほうが驚いた! まさに不屈。


○随分先の話ですが


 崔洋一監督の新作、『カムイ外伝』が面白かった! CGには基本的に否定的な私ですが、観るうちにコーフンさせられた。松山ケンイチをはじめ、出演者が皆適役。なっかなかこーいうことはない。また近くなったらネタにするかも。


○九月大歌舞伎

 幸四郎さんって、『河内山』好きですねえ……激しい既視感。ただ、吉右衛門が『鈴ヶ森』と『勧進帳』の富樫をやる。これだけ観に行こうかな。あとは染五郎の『竜馬がゆく』、吉右衛門の光秀、幸四郎の但馬守で『時今也桔梗旗揚』、神谷町と芝雀、孝太郎の芸者、染五郎松緑ほかの頭で『お祭り』。




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