妄想・『悪女商店街』
東中野にて発見。
この看板を見た瞬間から広がる脳内妄想……出てきたのはまず、懐かしの「ドリフ大爆笑・もしもシリーズ」これですね。
「もしも超・エラそうな中華屋さんがあったら」
迫力満点の女主人が横暴のかぎりを尽くす中華料理屋。作るのは全部客。女主人が「まずい!」といったら両手両足もがれて甕へ。あなたはダシの素。そんな映画が昔あったんです。
1985年の映画『西大后』(せいたいごう)、当時、このCMがガンガン流れてたなあ。そりゃまあ分かりやすい内容だったんですよ。
1:場所は昔の中国
2:綺麗だけどえっらい残酷なおばさんが
3:権力のかぎりを尽くしてやりたい放題
小さいから「おばさん」と思ったけど、ひょっとしたら若かったかも。気に入らない女をいわゆる「ダルマ」にして(こんな品のない言葉、分からない人は知らなくていーですよ)、おっきなツボの中に入れ、苦しむ様を見て高笑いする西大后。これがCMのラストだったと思う。
中華料理『西大后』にはじまる「悪女商店街」なんてあったら、いっそのこと楽しいだろうな。
■悪女商店街
カミソリさばきが超一流と評判の「バーバー・アベサダ」とか。ゆでタオルで顔巻かれてリクライニング倒されたら、どんなにか怖いだろう。この商店街の老舗がおでん屋「高橋おでん」ね。平安時代から続く「薬子(くすこ)ファーマシー」とか。サンタ・マリア・ノヴェッラも真っ青。
カレー屋は当然「ハヤシライスもはじめました・カレー食堂ますみ」ね。ここのおかみさんが毎日商店街の水まきしてくれてます。
迅速な自転車の出前が評判の「おそば・福田庵」。そのお隣には津軽のリンゴを贅沢に使ったパイが評判の「パティスリー・アニータ」。「青森ノモノハ全部ワタシノモノ」おかみさんの口癖です。
イタリア料理なら「トラットリア・ボルジア」へ。
「あそこのモツ煮、美味しいのよねえ」
「どうでもいいけど、あそこ、バイトの子が変わるの早いわよね」
そんな会話が常連さんから聞こえてきます。フランス料理は「ビストロ・ブランヴィリエ」におまかせ。澁澤龍彦の『世界悪女物語』が読み直したくなってきたぞ。
どうでもいいけどこの商店街、寄り合いが怖そう。絶対に誰もお茶に手を出さない寄り合い。
くだらないったらありゃしない。失礼致しました。
○付記
東京、すーーっかり秋。
NHKホール脇の並木。ここを自転車でかっ飛ばした。気持ちよかったぞー。
北林谷栄さん似の夕顔
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