ラブフォーチュン フォー セール

東京・半蔵門にある平河天満宮は
年に何回かフラリと訪れる。
近くに国立劇場があることもあって
歌舞伎の行き帰りなどにフラと寄るのだが、
小ぢんまりとしていながら端正な社、
いつも小奇麗に整えられた庭と砂利が美しい。
すぐそばが空気の悪くことこの上ない
大通りなのが嘘のよう。

さてこの神社、縁結びの神様として
口コミで有名。さらには「恋みくじ」なる
隠れヒット商品があって
その筋では（どこだ）人気スポットとか。
どれ、早速ひいてみようと
向かったとある日の昼下がり。

出だしからおみくじ料百円が
箱に入らずつまづく。
診ることすら拒否されているのかようで
カッと逆上！

気合で無理矢理入れる。
さあ診てもらおうじゃないの。
ひかせてもらおうじゃないの。
おみくじ箱に手を突っ込みガサゴソガサゴソ。

入れた瞬間、私の小指にスポッと
はまったおみくじがあり
「運命的！！」と感激、
急にテンション上がるも取り出してみれば
デスティニーおみくじが１つ、
ん、２つ…？？

何かを暗示しているような気もするが
気にせず最初のをゲット、ゆっくりおし頂く。

さておもむろに開けようとするが
これがなかなかノリが強くて開きゃしない。
段々イライラしてきて無理くそ開けようと思ったが
恋が「破れる！」みたいで縁起悪いことこの上ない。
焦っても仕方ない、ここは一つ大人になって
オフィスでカッターで開けりゃあいいのさ…と思ったが
恋が「切れる！」みたいで縁起悪いじゃないか
どうすりゃいいんだよう（涙）！

諦めて丁寧に開けました。汗かいちゃった。
おそるおそる開ければそこには…………「大吉」の文字が！

「神様に感謝したくなるようないい恋愛ができるであろう」
「最高の大運気！」

欣喜雀躍。阿鼻叫喚。
うっそおおおぉ嬉しいいいいいマジでええええぇぇ。
いやあ神様にタイコバン押されちゃったよ。
どおすっぺかあ。 ぐひひひひ。
なーんて喜んでいたのもつかのま。

その後とある編集者との会話にて。
「俺さぁ〜平河さまで恋みくじ引いたら大吉でさぁ〜」
「あー平河さまでしょう！　あそこヤッタラメタラ
『大吉』でるので有名なのよねえ。
あたしなんか今まで全部大吉よ。だから人気あるみたい」

とっぴんぱらりのぷう。