TVドラマ「大奥」がままごとに見えます

あひぃ

ベタにビデオレビューです。
大奥もの古典2本。
「TVドラマなんてクソよ!」という諸先輩の意見から
見てみました。最高です。
この2本見たら
松下由樹なぞあびる優クラスです。
古い女優好きのかたはどうぞ。
誰もいないか。


●『大奥(秘)物語』(1967 東映
3話立てのオムニバス。
まずはお竜さんこと藤純子がとんでもない悪女に。
将軍の子を宿そうと画策するがなかなか仕込めず、
他の男をおびき出しまんまと妊娠する(詐欺罪)
というアバズレを怪演。その種馬男もちゃんと惨殺、
(証拠隠滅)並みのヤクザだってこうはできません。


次は岸田今日子小川知子をレズの道に引きずり込み
強姦罪)、その女が将軍のお手つきになって身ごもるや
嫉妬に燃え狂い、無理やり水銀を飲ませ流産させるという
(脅迫傷害罪)天下の毒婦ぶりを発揮。
平成の毒婦・林真須美だってこうはできません。


最後は佐久間良子
「お前が悪の枢軸なんじゃあ!」とブチ切れ
大年寄りである山田五十鈴を刺し殺し、
江戸城を焼き払う(放火殺傷罪)というとんでもないオチに。
山田五十鈴が「こんな小刀の一刺しで死ぬわけない」と
ちゃんにと見抜いて焼き殺そうとした
佐久間の慧眼には恐れいるばかりです。


●『大奥絵巻』(1968 東映
前作だけではまだまだ戦い足りなかった
元気な東映女優達がこれでもかといがみ合いまくります。


若年寄淡島千景の妹、佐久間良子
将軍のお気に入りになったことで
淡島の格がアップ、よせばいいのに
「あたしの時代だから悪いけど」と
肩で風切って歩く始末。当然
「ちょっと感じ悪くなあい?」と
大年寄のババア連、三益愛子木暮実千代が激怒。


そうとなったら早速リベンジ。
陰湿な公衆面前での「これでもか」的な言葉責め、
「扇子はあおぐもんちゃうで、ブチかますために
あるんやで」と教えてくれているかのような
可愛らしいおせんすを使って淡島を殴打するなどの
プレイの数々は、まずこれだけでR17指定決定です。


「なにくそ」「このやろう」と当然のように
仕返しに燃える淡島は、歌舞伎役者を使って
三益の側近が大奥内でデートしてた事にし、
ババアもろともスキャンダルにハメ落とします。
「証拠は消しな」とでもばかりに歌舞伎役者は殺す残忍さ。


最終的には
「おねえちゃんもうやめとき」と佐久間が
淡島を牽制、「あては天下を取るんや」と一歩も
引き下がらない淡島を佐久間が
「口で言うて分からんのやったら」と一刺し。
山田五十鈴を殺せる佐久間が淡島千景を殺せぬ訳がなく、
あえなく淡島井戸にボチャン。


その後ババア連が毒入りの酒を
無理やり佐久間に飲ませて終わるという
『バトルロワイヤル』の原型のような連続殺人の嵐。
今とまったく芸風の変わらない大原麗子も素敵です。