浅田真央の「根性」

オリンピック、出れるといいねえ

まったく未知の世界だが
ニュースで微笑む15歳のフィギュア・スケート選手、
浅田真央のコメントに軽く驚いた。


天才少女として業界では以前から有名な存在だったようで、
「年齢制限を超えて次の五輪へ特例出場か!?」
と言われるのほど逸材なんだとか。へええ。
ほんの少しTVで見ただけだが
たしかに、馬が野を駆けゆくような奔放な躍動美と
氷上を滑ることが楽しくて仕方ないような風情が
素晴らしかった。それに加えてあどけない表情が
いまどきの子供とは思えないぐらい自然で、
「人気出るだろうなあ」と思わってしまった。
うーん、大器の予感が。


難技といわれる「トリプルアクセル」という回転技の
決め方はまさに爽快で、野生の動物のそれのように
わざとらしくなく「天才的」というほかないなあと
思っていたところに
「(インタビュアー)トリプルアクセル
決められると思っていましたか?」
「根性ですね」
というやりとりが。
……ちょっとビックリ。
「根性」なんて言葉久しぶりに聞いたなあ。
そういったものってみんな自分なりに持っていても
口に出さないスタイルが一般的、というか
現在の若年層の主流だと思ってたもので。
水泳の千葉すずだったと思うが、世界大会に参加するさい
「自分のために楽しんで泳ぎたい」
という内容のコメントをして物議をかもしたことがあった。
日本代表という気負いではなく
あくまで自分のためという観点から
「頑張る」「根性見せる」という考え方。


いい悪いはここではひとまず置いておいて、
そういうコンセンサスに
次第みんななるのは自然のことだろうなと私は思った。
広く活躍する人たちは、その裏で大変努力してても
表面はサラッと生きる。根性とか努力みたいな
アナクロニズムは絶対見せない。
そういうやり方が主流になっていくのだろう。
中田なんてまさにそういう流れを体現してるの
だろうな、と思った。まあ、あの人に関しては
言いたいことある人も多いでしょうが(笑)。


それにしても中学生の口から「根性」という言葉がねえ……。
私は本当に驚いている。
また時代は巡りゆくのだろうか。
星飛勇馬的イデオロギーの再到来か。


なーんて、さすがにそれはないでしょうが
浅田さんの「根性」という言葉の言い方が
今までのベタな語感での「根性」ではなく、
大変サラッとしたものだったことに
私は驚いたのかもしれない。
時代感覚での「根性」というコトダマを
聞いた気がした二日酔いの昨日の朝。