『告白的女優論』〜VOGUE 04年5月号より

ほかには美輪明宏の特集も。女優……?

「女優」……これほどまでに夢や憧れに満ちた言葉も少ないだろう。
 あるものは美しさで、あるものは圧倒的な演技力で、 あるものは常人では考えられない迫力で、大衆に夢と感動を与えてくれる、それが「女優」。


 そんな女神のごとき女優たち103人に 大アンケートを行ったのが「VOGUE」(2004年5月号)。古本屋で発見し即買しました。さぞかしファッショナブル&スタイリッシュな特集かと思いきや、さにあらず。
 女優たちの赤裸々な発言は、そんな簡単なレベルで終わるようなものではありませんでした。各女優に向けられた一問一答、さあこの貴重な記録を紐解いてみましょう。
 日本を代表する大女優たちの告白を、ダイジェストでご堪能下さい。



加賀まりこさん ――なぜ、あなたは演じるのですか?

「他のことなにもできないから」


若手編集者が不用意に「へえ、そうなんですか?」などと答えて
失敗するパターンのコメントですね。「まあご謙遜!」とか言っときましょう。


草笛光子さん ――女優として普段から気をつけていることは?


「素顔では一歩も外には出ません。紫外線に気をつけてますので」



決して「見られたモンじゃないから」とか、そういう理由ではありません。
しかしこの手の発言、草笛さんクラスじゃないと滑稽になりがちなもの。
一般人が似たようなことを言っても「何もそこまで」「せめて肌ぐらいってことね」と失笑されて終わりです。


白石加代子さん ――コンビニにスッピンで出かけますか?


「追いつめられると、やむをえず」


何があなたを追いつめられるというのでしょう。
同様の質問を中村玉緒さんにもヴォーグはぶつけています。その答えは
「ほぼスッピンで出かけます」やっぱりィ。



岸田今日子さん
――あなたはなぜ、「演じる」のですか?


「生きていたら演じていました」

死んでも演じられているでしょう。
(註:岸田さんは2006年の暮れに亡くなられました。このブログでも追悼しましたが、
本当に素敵な女優さんでした。ご冥福をお祈りします)


片桐はいりさん ――女優として普段気をつけていることは?


「痩せて顔が小さくならないように心がけています」


わかってますね自分のキャラが。素晴らしい……でも、気にしなくても大丈夫じゃないでしょうか。


檀ふみさん ――女優として普段気をつけていることは?


「肩書きにエッセイストと書かれないようにすることです」


わかってますね求められていることが。さすが知性派。 一朝一夕でできるボケじゃありません。


 さてこの辺でメインディッシュに移りましょう。 今までのコメントなんて「屁」みたいなもんです。 これが書きたくて長いことダラダラと前置きしてしまいました。 それでは本当の大女優、グレイトアクトレスのこの方に登場していただきましょう!





































川島なお美さん ――女優として努力していることは?






クラシックバレエで心と体の筋力を鍛えています」

(こ、心まで! 心のプロテインもワインで溶くに違いない!!)


「茶道で日本女性としてのたしなみ、所作も学んでいます」
(見上げたものですねえ、さすが失楽園!)


「好奇心を持ち続けて、肌も心も錆びさせないようにするんです」
(なるほど、好奇心は心のクレ556なんですね! 教えてくれてありがとうなお美!!)


――女優として好きな言葉は?


「華と、毒」
お笑いマンガ道場で叩き上げた画力でその2つとやらを表現してもらいたいものです)


――芸の「こやし」にしていることは?


「失恋、裏切り、愛犬への無償の愛」
(う、裏切りって……されたの!? したのォ!?)


――死ぬまで女優、という生き方を選びますか?


「BIEN SUR!」
(フランス語ですよみなさん「勿論」って意味ですって。
あふれるエスプリは辻仁成さんも真っ青です。ちなみにこの質問、
「かたせ梨乃」さんも同様に「BIEN SUR!」と答えていました。かたせ=なお美……)


――あなたは、なぜ演じるのですか?


「演じているつもりはない。 与えられた女性の人生を、ただ生き抜くだけです」



もうおなかいっぱい。川島なお美様は女優界の「満漢全席」です。


 いかがですかこの見事な女優論。これでこそ渡辺文学をも表現できるというもの。つづいて川島さん同様に素晴らしい日本を代表する女優さんたちのコメントもどうぞ。



網浜直子さん
――女優として努力してることは?


「あまりありません」


自然体でもう女優ということでしょうね! いや嘘。


高田万由子さん
――女優として好きな言葉はなんですか?
「行間をよむ、です」


「行」のほうをまずしっかり読まれたほうがいいのではないでしょうか。
あと場の空気とかね。


釈由美子さん
――あなたはなぜ、「演じる」のですか?


「CHAOS(カオス)の出口を探すため」


いやあ……ナイスですね〜(村西とおる風)。 このセリフ、急な退職時とかバイトばっくれの際の言い訳に
使用してみるというのはどうでしょう? 誰も何もつっ込めないに違いありません。
 まだまだ紹介したいコメントは多数あるのですがキリがありません。それでは大トリはこの方にお願いいたしましょう!



広田レオナさん


――あなたは、なぜ演じるのですか?


「愚問です、女は皆生まれたときから女優です」



ありがとうございました。


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