ド素人が見た「WBC」

半蔵門にて

半蔵門のとある角を曲がると
木蓮の並木がいっせいに白いつぼみを開いていました。
桜のつぼみも一様にふくらみ、杏も桃も咲いています。
春だなあ。桜は「まだか、まだか」と思ってるときが
一番美しいですね。開いてしまったら、気がつけば散っている。
開いてから雨が降れば、せっかくの桜が汚くなると哀しくなる。
まさに「しず心なく花の散るらん」、いまが春です。


ワールド・ベースボール・クラシック―WBC―


野球のことを知らない、ということにかけては
私と肩を並べるものはそうそういない、ということは以前にも書いたが、
(「『野球』の常識ってどこまで必要?」参照http://d.hatena.ne.jp/hakuouatsushi/20051026
いやーでも知らないなりに感動しましたね昨日の試合は。
絶妙の展開。大きく引き離したと思いきや、終盤1点差まで近づかれた
あのスリル、どきどきしました。王監督の娘さんが試合終了後、
「父を誇りに思います」と少し感動に震えた声で仰ってたのには
ちょっともらい涙。ナインたちのはしゃぎようも清々(すがすが)しかった。


今回の一連の試合で、一番印象に残ったのはあの「誤診」疑惑試合の後の
選手団の反応だった。マスコミはイチローの「選手生活で一番屈辱的な日」という
コメントばかり取り上げていたけれど、私は他の選手たちが一様に
「ストイック」なコメントをしていたことが心に強く残った。
「悔しい」「許せない」といった、審判を非難するようなコメントは一切なく、
選手の名前は忘れてしまったけれど
「どのような過程であれ、勝てなければプロではない。次試合に全力を投じる」
「国の代表として試合に参加させてもらってるのに申し訳ない」
「プロとして恥ずかしい」
といったようなコメントばかりだったように思う。


うーん、野球における「審判の絶対性」というのは
詳しい人に聞いてみると、良くも悪くも物凄いものらしいから
「言っても仕方ない」というコンセンサスが定着してるのかもしれないけど、
ひとことで言って「立派だなあ」と思った。そして「日本的だなあ」と思ったのだ。
それは現代的なものでなく、古き日本の美徳観念ですね。
過ぎたことに多くを語らない。悔しさはグッと心のうちで耐える。
まだまだプロ野球選手の心の中には、そういった「サムライ的精神」が
生きているのだなあ、と私はしみじみ感じた。
そういう意味で、先のトリノオリンピック選手団との
試合後のリアクションを思い出して比較すると、まるで違う国の人たちのような気がして
私は興味深かった。(ひょっとしたら、現在野球の視聴率が
ドンドン下がっていることは、そういうこととも関係あるのかもしれないけれど)
しかし今回に限り、日本はそういう前時代的感覚を
めいいっぱい堪能したと思う。楽しみ、そして涙したと思う。
トリノの欲求不満を解消するかのように。
王監督率いる「野球チーム」のありようを見て納得しましたが、
野球の一つの醍醐味ってのは「忠臣蔵」なんですね。
そりゃあ日本人野球好きなわけだわ。以上、門外漢の雑感でした。


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