吉田修一「女たちは二度遊ぶ」

もうすぐ出産です

こんにちは、あのブルック・シールズ
イギリス版「シカゴ」でレニー・ゼルウィガーの役を
やっていたことを知って驚いてる白央篤司です。
まあ去年の話なんですけどね。右の写真はそのときのもの。
さて今日は本の感想です。


●「女たちは二度遊ぶ」 吉田修一

女たちは二度遊ぶ

女たちは二度遊ぶ

レンジの広い作家だなあ、と思う。
この本は11編の短編から成る作品集で、主人公はいずれも男。
彼らが、ふとしたはずみで思い出してしまうような、
今の自分に少なからず影響を与えているような、
特別な感情があったわけではないのに、決して忘れられない「ひとこと」を
残していったような、ある意味「運命の女たち」を実にサラリと、無駄なく描いていく。


恋人に限らず、同僚やバイト先の仲間、近所の顔見知りでも
「異性」というものは人生の折々で印象深い「一瞬」を与えてくれるものだと思う。
人生の中で男が少なからず「女って、こういう生き物なのか」と発見する瞬間、
その鮮やかなひとときが、簡潔に、しかも短い文章の中で表される。
そんな11編の連なりは読むほどにスリリングで、シンプルに面白かった。
構成も緩急考えられて流れも見事。私は7編目の「泣かない女」が白眉だと思う。
女のたくましさ、図太さといったものを、変に芝居だてず表現して、
(よく言われていることだが)「向田邦子」的ドラマを見るような思いだった。
「女」という生き物の前では、男はしょせん傍観者でしかないのだ。
それほどに、「女」は平素から娯楽なんだろう。


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