映画『ミッドナイト・ムービー』

余りにも絵画的な『エル・トポ』のポス

こんにちは、古田敦也監督と大木凡人がいとこ同士と知って
驚愕している白央篤司です。今日はユーロスペースでレイトショーという
ちょっとレアな作品ですが、好きな人にはたまらない
一本だと思うのでちょっとご紹介。


■■『ミッドナイト・ムービー』■■
『エル・トポ』『ピンク・フラミンゴ』『ロッキー・ホラー・ショー
イレイザーヘッド』『ハーダー・ゼイ・カム
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』……列記するだけでもワクワクしちゃうような
カルトムービーの名作ばかりだが、これらの監督達やプロデューサー、
当時の配給に携わった人々によるドキュメント映画がもうすぐ公開されます。


1960年代終わりから70年代半ばって、今見てもショッキングだったり「なんじゃこりゃー」と
吃驚しちゃうようなユニークな作品がドンドコ生まれてきた時代だったんですね。
私が生まれたのがちょうど75年だから、その前の10年間。ああ、そんなときにライブで若者やってたかったなあ!
監督達による作品誕生までのエピソード、公開当時の思い出も勿論興味深いけど、
私が一番面白く感じたのは、当時の配給主達の話だった。
映画が出来てから最初に見る「観客」である彼らは、鑑賞後さまざまな思いにとらわれる。
あまりにも意味不明だったり、あまりにもエログロ過ぎるんじゃないかと思ったり、
あんまりにも「メッチャクチャじゃないかー!」と思っても、
どっか心に残る。単なる目新しさだけを狙っただけじゃないオリジナリティや個性が光ってる。
「なんだかよく分からないけど、面白いなあ」「一発、公開してみるか!?」
山奥で偶然宝物を発見したかのような、不思議な興奮を感じた配給主達の当時のコーフンが伝わってくるんだなあ。
もうすっかりいいジイチャンなんだけど、つかの間少年のようなイキイキとした目に。ワクワクとした口調に。
映画作りを愛している人の素直な気持ちを感じるのは、やっぱいいもんだ。


この時代はある意味、映画界における何回目かのゴールドラッシュのような
ひとつのアメリカン・ドリームだったのかもね。まったく新しい才能、価値観を持った若者達が
次々と名作を生み出して、そしてその才能を世に出そうと
配給者達が発表の場を与える……何十年かに一度の、夢のような時代だ。
きっちりしたインタビュー集だから、好きな人にしか楽しめないタイプの作品だけど、
この辺のマニアなら是非抑えておいてほしい1作でした。


<映画公式サイト>
http://www.cinemacafe.net/special/midnight-movie/


●付記
女優の七尾伶子さんが亡くなられた。最近はほとんどお出になっていなかったが、
私が子供の頃は渋い脇役で、独特の存在感のある方だった。名優、といっていい方だと思う。
巧い女優さんだった。ご冥福をお祈りします。


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