「ヴァン クリーフ&アーぺルの100年を彩った女たち」

hakuouatsushi2006-11-09

 「蠱惑的」という言葉を久々に思い出した。今新宿・伊勢丹の1F中央で「Van Cleef&Arpels ヴァン クリーフ&アーぺルの100年を彩った女性たち」という展示をやっているのだけれど……いやーこんなもんタダでみれるなんてなんという幸せだろうか、贅沢だなあ!


 パリの有名宝飾店、ヴァン クリーフ&アーぺル。
白蝶貝をつかった花柄のモチーフが特に有名なんじゃなかろうか。
顧客だったのであろう著名な女性達が、その折々に使用した豪奢なジュエリーを
展示しているのだけど……うーん見事で綺麗で唸ってしまう。
ウィンザー公が王位を捨ててまで愛した伝説の女性、シンプソン夫人やマリア・カラス
映画『甘い生活』のアニタ・エクバーグなど、レジェンドの世界の女性達が身につけたアクセサリーがゴロゴロと。
彼女達がつけている写真と共に展示されていて、まさに歴史が目の前にある感じ。ワクワクしてしまう。
 中でも見事だったのはジャクリーン・ケネディ、あのジャッキーがつけていたパールの
大振りな3連だったかのネックレス。うッわあ最高級のパールというものはこういうものなんですね、
霞がかったかのような「おぼろ」をおのずから発する魔力的なまでの光が満ち満ちていて、
私はしばし陶然としてしまった。また「ピジョン・ブラッド」という最高級のルビーの美しさも堪能したし、
何よりもグレース・ケリーの頭(こうべ)を飾ったというティアラのダイヤモンドは本当に見事だった。
1ミリでも目線をずらすとたちまち七色に煌き、まばゆい光を放つ完璧なカッティング、そして透明度。
宝石に吸い込まれる、というレトリックを現実のものとして感じられた貴重な一瞬だった。
 ああ呆然……美しいジュエリーというのはなぜにかくも魅惑的なのだろう。
石が大きいだけでもダメ、加工的な技術が突出しててもダメ……石それ自体に品と個性がなければ
素晴らしい宝飾品にはなりえないのだなあ。そしてその石の個性を最大限にプロデュースする
メゾンの実力がなければどうしようもない。そう、ひょっとして宝石とブランドは、
女優とマネージャーのような関係に近しいのかもしれない。
大女優クラスのジュエリーに囲まれて幸せな瞬間でした。大展示会ではなく、
ほんのちょっとしたスペースなのだけど実に濃密な空間です。14日の火曜日まで、お近くの方は是非。


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