ソフィスティケーションの権化「ビング・クロスビー」

ジャジーなスイングも最高!

 このところズーッとビング・クロスビーばっかり聴いている。ああ、なんていいんだビング! 多分知らない人多いんだろうなあ。日本での忘れられっぷり、ちょっとひどいんじゃないか。俳優としては『我が道を往く』(1944)でアカデミー主演男優賞を受賞、その後『上流社会』『喝采』なんかが日本では知られているところだろうか。ボブ・ホープとのコンビによる「珍道中シリーズ」は爆発的なヒットだったというが、これも現在日本で見るのは難しい状況だろうなあ。基本的にポピュラー・シンガーとして大人気を博した人で、「ホワイト・クリスマス」の歌声は誰しも一度ならず聴いているんじゃないかと思う。

「シャワー浴びてるときのハミング」みたいと形容された彼の歌声、その表現どおり力(りき)みすぎず、軽くて洒脱で……とにかく粋なことこの上ない。最近「わたし歌うまいでしょう!」といわんばかりの熱唱系女性歌手やら、顔クシャクシャにして愛を歌い上げるような男性歌手やら多過ぎて、なんというか食傷気味というか胸焼けしてるところにガーンと響いてしまったね、彼の歌声。そう、ソフィスティケーションという今もっとも忘れられている価値観の塊みたいな人だ。ダニー・ケイが彼を評していった「難しいものを簡単に見せることにかけて、彼は驚くべき才能を持つ」という言葉、これはまさに彼をよく表していると思う。


○ビングのおススメ映画

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グレース・ケリー最後の映画出演になった1956年のハリウッド映画。この中でビングはルイ・アームストロングと共演、「Now you has jazz」(スペルミスではない)というナンバーを披露してますがコレが最高。ポピュラーソングだけではなく天性のジャズスィング感を持っていたことを証明してます。


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