1週間の心辺食雑記

すっごい豪雨！ と思えば夕方にはカラーッと晴れた東京の日曜日。なんだか不安定な天気が続きますが、もうすぐ入梅ですねえ。紫陽花がそこかしこの庭に咲いていて、露をためた葉のみどりが目に優しい。たしか花言葉は「気まぐれ」だったような。またポツポツと雨が降る。天気も気まぐれだな。ジャズ・スタンダードの名曲「COME RAIN OR COME SHINE」を思い出す。「これから先、雨の降る日も晴れる日も誰よりもあなたを愛し続ける」そんな歌詞だった。若い頃のサラ・ヴォーンに名唱が残っていて、よく聴いたなあ。なんて気まぐれに考えもうつる日曜日。恒例、1週間の記録。

○今週のものごと＆たべもの
１：友人の画文家、大田垣晴子さんと新装開店の「尋」を訪ねて中目黒へ。おいしい炭火焼の和食屋さんですが、中目黒の高架下から移店されたばかり。料理は相変わらずどれも安くておいしいのだけれど……話はズレますが何考えてるんだろうなあ、東急！　高架下のお店すべてに退去を迫っているらしいのだけれど、いったいどーいう訳だろう。中目黒の町からどんどん豊かなる「雑多」がなくなっていく。綺麗で小洒落た店ばかり増えても、コピーのような町になるだけだ。などと考えつつ、グビグビのんで煮え煮えになった二人、目黒銀座の老舗シェリーバー、ベネンシアへ。よく笑ったなあ、せいこさんありがとうね！
２：たたみかけるようにファッション編集、ウメコと翌日は西麻布のブックラウンジ「テーゼ」にてカクテルを愉しむ。今週は恋や愛についてよーく語った週であった（笑）。ウメコさんのお幸せを心よりお祈りします。
３：「CDジャーナル」連載の打ち合わせで神保町へ。かねてより食べてみたかった「いもや」の天丼初デビュー。5百円でしじみの味噌汁がついて、このボリュームで……偉いのひとこと。今度はカツにも挑戦したいな。その後いつものコースで映画関係の専門古書店、矢口書店であれこれ物色。うーん……楽しいなあ。古本屋めぐりは私の数少ない趣味のひとつ。旅行に行っても必ず古本屋があると入ってしまう。あ、先日には美智子様、「もし身分を離れて一日何か出来るとしたら、何をなさりたいか？」との質問に「古本屋に行きたい」と答えてらした。わかりますよ皇后様……しっかし、そんなことも叶わないものなのか。
４：渋谷、東急東横店のフードショーにてベトナム料理のイートイン、「サイゴン」にて鳥のフォーと蒸し春巻、揚げ春巻のセット。これで確か780円ぐらい。あまりゆっくり出来ないときにサッと食べたいな、というときに重宝してます。疲れた胃に鳥のダシがきいたスープ、とっても合います。しょうがが入れられたら嬉しいなあ。
５：漫画家・安彦麻理絵さんと表参道にてとある……アルバイトへ（笑）。面白い体験でした、ありがとう安彦さん誘ってくれて。現在妊娠中という彼女、まだ4ヶ月って全然目立たないものなんですね。はい、私達おされな表参道のカフェにて、周囲も省みずゲハゲハ爆笑、話題は文章化ためらわれるキッついヘビーなものばかり。真ッ昼から心底から楽しかった（笑）。しかし安彦さん、明らかにあの一連の会話は胎教には悪いでしょうね……。
６：NHKアーカイブスにてドラマの名作「今朝の秋」が放映。最初に見た1987年はもう20年前……相変わらず素晴らしいドラマだった。杉村春子、笠智衆の厚みある演技は変わらず凄いのだけど、ガンにおかされ50代で亡くなる杉浦直樹の演技に胸が締め付けられる。山田太一作、深町幸男演出（「夢千代日記」を手がけた方）、武満徹音楽、超一流のスタッフによる丁寧で密度の高い素晴らしい作品。心洗われる思いだった。

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