渥美清、そしてケシの花

火を押し当てにくいなあ

 柴又の老舗、料理屋の川千家でなかなか素敵な文句をみつけた。こちらは鰻と共に鯉を出すことで有名なお店。鯉こく、あらいと、鯉の料理法も様々だけれど、焼き物というのはあまりない。そのわけを問うた人に、先々代の主(あるじ)はこう答えたという。
「こいの焼き物はうまいらしいが、こいは焼かずに、するものだ」
 その言葉を実践したわけじゃないだろうが、48回も恋をしては破れた男が、灰皿になってテーブルの上にあった。寅さんは、この文句を知っていただろうか。
 今日は最近の色々をちょっとメモ。


■フラワー・パラダイス
時事通信より>
茨城県下妻市の「小貝川ふれあい公園」のフラワーフェスティバル会場に、あへん法で栽培が禁止されているケシが大量に植えられているのが見つかり、同市が13日、推定数十万本を撤去、焼却処分した。
 11日にパトロール中の県警下妻署員が会場内のポピー畑にケシとみられる不審な花が大量に咲いているのに気付き、県薬務課が翌12日に調べたところ、栽培禁止種のアツミゲシと確認された。
 公園を管理する市都市整備課によると、昨年10月にポピーの種まきをした際、ケシが混入していた可能性があるとみて、購入先の市内の種苗業者など流通経路を調べている。 


 「不審な花」という日本語、はじめて知りました。不審、って植物にも適応される言葉だったとは……。しかも「不審な花が大量に咲いている」という表現がこれまた、不思議にシュール。戦後の横浜とかで、不法パンパンが大量にたむろしている暗喩のよう。人を惑わす、という点では同じか。この流れでいくと、大麻は「不審な草」、マジックマッシュルームは「不審なキノコ」なのですね。「不審な草で逮捕4回、清水健太郎さんです!」「好きな食べ物は不審なキノコ、伊藤英明さん!」なんて表現もありなのですね。やっぱニュースって勉強になるわ。
 あ、昔何かの本で読んだことを思い出す。ケシの花畑って、そこにいるだけでフワーッといい気分というか、軽くトリップしてしまうぐらいすごい、って本当だろうか。いや、まったくドラッグには興味ないのだけれど、そんな花畑ってなんとも示唆に富む世界に思えてしまう。終末医療の思想と直にリンクするような場所だ。いきものが自らの死を悟ったとき、おのずとそこに身を横たえて、安らぎの中いまわを迎えるような……太古、ケシが群生するところって、そんな場所だったのかも……と、すべては妄想。


○追記
ほんとうにどうでもいいが、今回のネタを書くにあたってケシのことを調べたら、なんともいろんな色があるのですね。特に青いケシは幻想的なまでに美しい。私、恥ずかしながらケシって赤い色だと思い込んでいた。すべては藤圭子のせいだ。


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