吉田栄作、藤村志保、きもののこと、「だんだん」三連想

どすえ

 くっだらないことなので、直球に書きます。
 NHKの朝ドラ『だんだん』ですが……吉田栄作、出てますね。出てるんです。マナカナこと、三倉茉奈・佳奈の父親役で。松江のシジミ漁師の役なんだが……いやーーーーー、似てる。似てるんだわ。フトした表情が「若い頃の近藤正臣」にソックリ、実に似ている! 
 うーん……自分で書いてて本当にどうでもいい。でも私は一瞬(そのとき吉田栄作が帽子を被っていたこともあり)本気で間違えそうになった。目を細めた表情など「うりふたつ」。だからどうした。でも、そう思っている人いないかなあ!?
 しかし気づいてみれば、「栄作的ナルシズム」って「コンドーですっ!」に象徴される「いい男・アナクロニズム」に相似形じゃないだろうか。「二枚目」というジャンルが芸能界に厳然とあった、その頃の「ノリ」に違和感なくかぶる。「田村正和的ベクトル」だってひょっとしたらこなせるんじゃないだろうか。
 吉田栄作、ウン十年後は、もしかしたら「新橋演舞場」とかの時代劇座長とかをやってるかもしれない。駆けつける女たちは、結構多そうだ。


「だんだん」追記
 このタイトルを聞くたび、心の中で

 この歌を歌ってしまう人、私以外にいないもんでしょうか。


「だんだん」追記・2
 と、フザケ半分で書いてますが……「だんだん」。面白い。面白くなってきた!
 ゆえあって一緒になれなかった男と女(演じるのは吉田栄作石田ひかり
 うーーーーーーーーーーーーーーーーんバブルな二人だ! いいキャスティングだが、私がプロデューサーなら死ぬ気で『鈴木保奈美』を口説き落としたかったところ。この顔合わせ、今在って然るべきだと思う。石橋貴明の罪は重い)が、生まれた双子を別々に育てた……という手垢のついた話だが、キャストがいい。
 こないだ、姑(三林京子)、吉田栄作、栄作の今の妻(鈴木砂羽)、そして友人の石倉三郎といったメンツのシーンは情緒濃く、伝統的なお涙頂戴の芝居が素晴らしかった。あれぞ日本の伝統芸、朝ドラの基本! 私はその正調・人情劇を堪能した。「こうこなくっちゃ!」そこまで思った。朝ドラに革新はいらない。


 そうそう、この鈴木砂羽がヒジョーーーに、いい! 陰のある女というか、控えめでかつひたむきで。私は彼女のことを「過去のあるともさかりえ」と呼んでいるが(だからどうした)、その陰影が、なぜか朝8時台にビミョーにマッチする。普通の主婦なのに、どこか「元女囚」みたいな風情がある。それが吉田栄作演じるシジミ漁師の奥さんにピッタリはまる。幸せなんて、みんなの善性の努力のもとにかろうじて成り立っている虚構、という奥深さまで感じさせるドラマになっている不思議。その「かろうじて」が普遍に存在しているものだ、とまで私は「だんだん」を見ていて思うようになってきた。マジで書くが、見逃せませんぜ。「だんだん」


「だんだん」追記3
 京都の大女将、藤村志保が素晴らしい。「佇まい」――この言葉の素敵さを実感させる存在感。
 美しい。ただ在るだけで、美しい。その着物の趣味、着付けのよいこと! 「凛」という漢字をそのまま人間にしたような方だ。
 奇天烈の極みのような「現代きもの」の愛好者(色目の下品な黄八丈なんかをよく着ている。帯の位置が変に高くて苦しそうな締め方、趣味の悪い色足袋、柄足袋、そしてなぜか「バレッタ」を使用のアップが多い)のみなさんに是非参考にしていただきたい「着姿」だ。まあ分からないだろうけど。
 一度書いておきたかったが……「きもの? 好きなものを好きなように着ればいいのよ」などという輩は私は絶対に許さない。そういう人は電車のドアの脇で終電頃にキスをするカップルの美意識と大差ない人々だ。


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