オリヴァー・シトリュックという俳優
現在公開中の『ココ・シャネル』、シャーリー・マクレーンが晩年のシャネルを演じて話題になってますが……私は……どーにもノレなかったんですね、お好きな方には最初に謝っちゃう。ごめんなさい。
その理由はただひとつ、何もアメリカ人がシャネルを演じなくていいという狭量な一語に尽きる。でもね、ひとつ書きとめておきたい。シャネルの運命的な恋人(あのボーイ・カペル)を演じた俳優がなっかなか良かった!
まだ世界的には無名の俳優ながら、泰然とした、高雅な雰囲気を持っている。こーいう「時代もの」に合う俳優って、最近滅多にいないんですよ。最近は日本のみならず(時代劇でそれは顕著)海外も。皆いつまでも子供っぽいからなあ。
ヨーロッパの1910〜20年代の大人の男、という雰囲気が「のる」若手、というのに私は注目しました。偉そうだな。
ともかくその人の名は、オリヴァー・シトリュック(olivier sitruk)! フランス人の俳優で現在38歳。
ちょっとこの人のことをメモしておきたい。
パンフレットにすら詳細なプロフィールが載ってないんですね、さらにネットでも情報薄。日本のプレスは「どうでもよかった」ようですね(笑)。
うーん……「今日はこのネタで行こう!」と一度決めたら、後に退いては恥というもの。無名人のブログなんて、何らかの「ネタ」がなきゃつまらないもんね。
大学時代ぶりにフランス語の辞書と首っ引き、本国の本人サイトからプロフィールを調べてみました。
(ヒマだねえ、と今思ったそこのあなた! 正解です。仕事ないのよ。笑)
オリヴァー・シトリュック
1970年の12月25日、南仏はプロヴァンスの生まれ。ニースで4歳までを過ごし、その後をマルセイユ、ドラギニャンで過ごす。小さい頃は考古学者を夢見ていたが、中学のときに演劇に興味を持ちはじめる。1986年、16歳でニース国立芸術学校に入学。その後もいくつかの演劇学校で研鑽を積む。92年頃までには映画にも進出、2本の映画で主役をものにするなどの活躍をみせた。94年、24歳のときパリ国立演劇学校に入学、俳優としても活躍するダニエル・メズギッシュの薫陶を受ける。同年、映画『l’Appat』のエリック役を獲得し、これが本格的な長編デビュー作となる。
あくまで拙い仏語力で訳したので、間違ってもこれをイージーに転用しないように。いいですね念を押しましたよ。
○ヘップバーンが推薦?
あ、そうだ。
この映画、元はテレビシリーズなんですね。そのキャスティングが決定した2008年のニュースでシャーリーはこんなことを語っていた。
【ロンドン 4月13日 IANS】ミニテレビシリーズでココ・シャネルを演じることが決まり、驚いているという米女優シャーリー・マクレーン。驚いたわけは、かつてオードリー・ヘプバーンからココ・シャネル役をするよう勧められたことがあるからだという。
contactmusic.comによると、2人が50年代に共演した際、ヘプバーンは「マクレーンはココ・シャネル役にぴったり」と述べたという。
「『噂の二人』で共演したときのことよ。20代だったわたしにヘップバーンは、年を重ねたらココ・シャネルを演じるべきだと言ったの」とマクレーンは語る。
また、ファッションについては詳しくないが、役柄を演じることには自信があると語っている。(Web-Tab ショウビズニュース 4/14 2008より)
ヘップバーンがどれだけシャネルの人となりをどれだけ知っていたのか疑問だなあ……。まぁジヴァンシーに紹介されたことはあっただろうけれど、「50年代に共演」ってヘップバーンはモロ全身ジヴァンシー時代でしょう。シャネルとの接点は殆どなかったと思うんだがなあ。
どなたかこのへんに詳しい方いらしたら、どうぞ教えてください。
まあ、確かに50年代に発表したジャージ素材のスーツはオードリー好みのような。
○追記
その後フランス通の友人から「オードリーがそんなことをいうのは私も意外だった。ロミー・シュナイダーなら納得なんだけど」とのメールが。確かに。晩年のシャネルのミューズ、ロミーが「あなたシャネルにピッタリ」といったんなら凄いタイコバンだと私も思う。
ロミーって日本では不当に忘れられている女優じゃないだろうか。アメリカならローレン・バコール、ヨーロッパならロミーがカッコいい女の両巨頭な気がする。
ロミー・シュナイダー (『Boccaccio '70』より)
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