テレビの放送作家さんから「日本酒関係の企画で相談が…」と呼び出される。
渋谷で1時間ほど話す。

体調は戻った。

ローマ法王、高齢を理由に退位宣言。600年ぶりぐらいの異常事態らしい。

○きょうもNHK團十郎追悼番組が。山川静夫氏、尾上菊五郎氏が出演。坂東玉三郎氏もVTRでコメント。パリで撮ったものだろうか。もっともっと音羽屋、大和屋の両氏に思い出を話してほしかった。とても中途半端な「人生パッチワーク」に仕上がっていて、「追悼番組マニュアル通り作りました」という印象。制作者は本当に團十郎さんの芸に何か思い入れはあったのだろうか。

○「見栄っぱり、虚勢性向から我が境遇をうらみ崩壊へ」というモチーフ、古来より何度も使われているけれど、こういうのでパッと思いつく作品にも好みが出るでしょうね。『天人唐草』と『欲望という名の電車』だなあ…やっぱり。この『花衣ぬぐやまつわる…』はどんなオチになるのやら。読むのやめられず。

中村汀女の「とどまれば あたりにふゆる 蜻蛉かな」という句、好きだ。止まるという「動き」からトンボ独特の低空にしばし「留まる」ような飛び方に連なり、そしてススキや秋空や風が感じられてくる。秋の山道を歩いたことのある日本人なら誰しもが思うような情景に連れて行かれる。


・水温み すぎぬうちにぞ 牡蠣くわむ

・鍋の中 次第に春が 冬散らす