駄洒落・コマーシャリズム

何が?

 格安チケットでおなじみHISの
CMがまあ目につくこのごろ。
恥ずかしながら「夏木マリ」と「夏、決まり!」が
掛け言葉になってるの気がつかなかったよ
くだらなすぎて。うーんダジャレ。
ユートク薬品の「肩に効く!」と叫びながら
菊の花をかざすCMに匹敵するそのセンス。
松坂慶子がフラメンコ踊り狂うアレね)

 一度でいいからこういうプラン会議とか
プレゼンテーションを覗き見してみたいなあ。


「部長、夏木マリさんでいきましょうよ」
「うん? やっぱ夏、決まりってギャグいいかな」
「もう抱腹絶倒間違いありませんよ」
「ん? そうか? そんなに面白いか?」
「もう私へそが茶沸かすぐらい笑っちゃいましたよ」
「ぐひひひひひ、そうか?」
「えへへへへへ、そうですとも〜」


 なんて会話なされているのかしらん。
そんな訳ないか。

 しかし最近懸念しているのは
上記のような単なる「勘違い」で
(ダジャレを「ギャグ」って思っちゃうような
センスのことね)くだらない掛け言葉が
コマーシャルとして産み出されているならまだしも、
あえて基本的な、泥臭い言葉だが「ベタ」な
ダジャレを狙ってコマーシャリズム
動いているんだろうなと思うこと。

 くやしいけどインパクト強いもんねえ、ダジャレ。
面白くはないんだけど妙に記憶に残ってしまう。
脳にこびりつくような強力な作用あるもの。

 会社なんかでダジャレ好きのオヤジが
時として発する握りっ屁のような「ギャグ」が、
気の利いた会話のできるスマートな人の言葉よりも
鮮明に記憶に染み付くようなパワー。

 あえてその威力をCM界が狙って
コピーにしているとしたら、……やな国だなあ。


●付記
あんなダジャレ繰り出す前の
シンプルなHISのCMは好きだった。
夏木マリが「あたしがパリに行ったときは70万もしたの」
っていうやつ。素敵。

 新しいバージョンとして
そこに岸恵子さんが飛び込んできて
「あたしのときは150万ぐらいしたのよ!」
なんて新旧パリ談義に花を咲かせるというのはどうでしょう。
いっそのこと東郷たまみさんにカムバックして頂いて
「あたしのパパンが行った頃は公費留学生しか
いけなかったのよ」なーんてハイブロウなトークするとか。

 わたしのほうが百倍くだらないことに
今気がつきました。