終わりのきっかけは「充電切れ」

現在は愛犬家

なかよし編集者・アキから突然の電話。
どうやらノロケの予感。彼女は最近できた男と付き合って
一ヶ月。お互いの家を行き交いするステージらしい。


「……でね、ごはん作ったりなんだかんだ家事するじゃない。
そんでねー、嬉しいのよ。なんでも一人分しかないってことが。
『あー、今まで女ッ気なかったのねえ』って思うとなんでか
分からないんだけど嬉しいの」

 つまり最初に泊まったときに思ったんだそうだが、
歯ブラシとかスプーンとかが全部自分のぶんしかなく、
それが随分新鮮だったんだそうだ。


彼女の今までの男はナイフもフォークも全部ペアで持ってて
「あー、いままではどんな子がこのフォーク使ったのかな」
とか思っちゃったり、もしくは
「いつなんどき……」的にストックしたのであろう
ホテルの歯ブラシセットなどをキープしとく要領よしが
多かったんだとか。


「つまりそれって今の男がモテない系ってこと?」
「ちがうわよバカねぇ! そういう細々したちょこざいな
所のないオウヨウな人なの!」
「ふーん、つまりはその人今までが不幸であったと」
「だからなんでそうなるのよう!」
(以下、永遠に続く……)


30過ぎた男でまるっきり女の影がないというのも
いかがなものかと思うがいいじゃないの幸せならば


大学時代ぶりに「長電話」なるものをした夜でした。