大女優と「汗」

特技はでんぐり返し

四谷駅前の信号は待ち時間がとってもながく
その上日陰も無いんですね。


大変不快指数が
急激にあがる環境。
私も気が狂いそうになりながら
信号を睨みつけるもフト見渡せば
まあ待つ人々の表情の笑えること。


もうみんなまさに口が「へ」の字。
あ、私もこんな顔してるんだなあ。


いけない、いけない。
こういうときこそ心の「成熟度」が問われるというもの。

こんなとき、心に浮かぶのはかつてワイドショーで聞いた
2つの話。2人の大女優と「暑さ」に関するエピソード。


まずは吉永小百合
なんかの映画で一緒になったスタッフが語る。


「ものすごく暑い夏の撮影なのに、
吉永さんが汗を流されるところなんて
一回も拝見しませんでしたわ!」


さすが、小百合。
「そこだけ違う空気が流れているようでした」
なんてコメントも。
私なんか喋ってると
「そこだけ毒ガスが垂れ流されているようでした」
ぐらいのこと言われると言うのに。
しっかしなにやっても 褒め称えられるねこの人。
わたしゃはめたたられるのが関の山。
それからもうひとつ。 森光子に関して。


「森さんがおっしゃってたんですけど、女優は
首から下だけ汗をかくものよ。いくら暑くても
顔は涼しい顔してなきゃお客様に失礼なのよ、って。」


藤吉久美子とかそのへんの後輩女優が
感心した面持ちで報告していた
光子のコメント。ヒガシのみならず
汗腺まで自由自在だとは。
光子、怖い子……。(月影千草


着物に日傘のような気持ちで
首から下にヘンな力をこめ信号が変わるのもを待つも
やっぱ暑いわ光子ごめん。汗が滝のように流れる
残暑厳しきの午前10時前。