黒革、女系ときて春子

「女の一生」とかやんなよ

こんなことが許されていいものだろうか。


ドラマで杉村春子の人生を描くらしいんだが
それを、ああなんとバンテリン米倉“ロデオ”涼子が
演じるという。ほんとかよ。マジかよ。


もう怒りを通り越して脱力。
製作者側みんな杉村の演技見たことないんじゃないのか。
いや、マジで「米倉ちゃんならできるよー」とか
ホザきやがってんのか。と、ついつい語調が
乱れてしまう。ああよくない。冷静に。


いや、嫌いじゃないのよ米倉。
黒革の手帖』では思いのほか健闘し、
山本陽子のような「業」はさすがに出せなかったが
(昭和57年の初ドラマ化では陽子がやってた)
「この人は『声』の演技ができる!」と
観ていて嬉しくなったもの。声に抑揚があって
表情がある。なかなかできないことだ。
今は「顔」だけで演技する人ばっかりだしね。
ああ、でも、でも!


春子はねえ…ダメだよう無理だよう。
うまいんだから。すごいんだから。
「顔」と「声」と「体」で表現するんだから。
それ以外さえなんかあるんだから。
あれを一度でも見聞したことある人なら、のれないと思う。
「見る前からいうなや」
「じゃあ誰がやりゃあいいんだよ」って
言われたら…はい返答に窮しますが、ねえ。


なんていうか、
最盛期のビートたけしの穴を
「ロンブー」が埋めるようなもんじゃないか?
最盛期の坂東玉三郎の穴を
「チビ玉」が埋めるようなもんじゃないか?


しかしそんな後ろ向きなことを言っても仕方ない!
せめて折衷案をひとつ!(偉そうに)
劇中劇はいっさいやらない。杉村が演技をしてるシーンは
極力排除。私生活のみに焦点を絞る! 
彼女は恋愛に関してかなり情熱的な
方だったらしいので、「女優・杉村春子」ではなく
「一人の女・杉村春子」に集中してストーリーを作る。
それに尽きると思う。裏面史ということで。
と。こんなことをブログで書いても
何の意味もないのですが。


ああ…でも書いたからには観ようじゃないの。
「米倉悪かったーーーッ! 許してお願い!!」と
土下座したくなるような結果になると…いいなあ。


●追記


宮沢が寂聴って…(笑)。
剃っていただきましょう、ええ女優魂にかけて。
がんばって豪姫!


天海は素直に納得。多分男装姿も久々に披露するのだろう。
楽しみだ。あ、ヅカファンではありません(笑)。


●フジテレビ:りえ、米倉、天海で「女の一代記」
 宮沢りえ(32)、米倉涼子(30)、天海祐希(38)の人気女優3人が、明治から昭和、平成を生き抜いた実在の女性たちを演じることになった。今秋スタートするフジテレビの「女の一代記」シリーズで宮沢が作家・瀬戸内寂聴さん(83)、米倉が女優・杉村春子さん=享年(91)=、天海が歌手・越路吹雪さん=同(56)=の壮絶な生きざまに挑戦する。

 米倉は、数々の恋で得たエネルギーのすべてを芝居に注ぎ込んだ杉村さんの「女優」と「女」の顔を表現。華やかな私生活を送りながら、女優としての存在感を増しつつある米倉に重なる部分もあり、杉村さんの骨太で粋な生き方を体当たりで演じる。

 また、宝塚歌劇団の先輩でもある歌手・越路さん役の天海が、歌と踊りの演技を披露するのは95年の宝塚退団以来初めて。華麗なステージ衣装もまとう予定で、久々の本領発揮となる。

 ◆杉村 春子(すぎむら・はるこ)1906年(明39)1月6日、広島市生まれ。27年、教職を辞めて上京し、劇団の研究生に。33年、医学生と結婚。47年「女の一生」で第1回芸術院賞を受賞。50年、再婚。「欲望という名の電車」など舞台のほか、映画、テレビで活躍。97年に死去。

スポーツニッポン 2005年9月7日(一部抜粋)