ローカル番組に対する偏愛

陣内智則となるみ

最近午前10時はテレビの前にかぶりついている。
何を観てるかというとよみうりテレビ系列で
今秋から東京でも放送されるようになった
なるトモ!」だ。いやー私これが好きで好きで。
いかにも大阪ローカルな内容で
「そんな細かい情報流してどーすんのッ!」と
笑っちゃうような商店街のネタやら名物おじさんやら
てんこ盛り(笑)。


地方人気番組って独特の空気があるよなあ。
その地方での人気者と
それを支える地元視聴者との
強い「信頼感」が生み出す不思議な面白さ。
なんていうか……長年連れ添った夫婦の
「阿吽の呼吸」のような(笑)。


例えるなら上沼恵美子が全国ネットよりも
大阪ローカルの番組で
過激に言いたい放題の毒舌をかましたりするパターン。
あれは「どうせ東京には聞こえないだろ」という
えげつない理由で喋りまくってるんじゃないと思う。
多分彼女はカメラの向こうから
全国放送のそれとは比べ物にならないほどの
「期待」を感じているんだろうと思う。
「恵美子なら笑かしてくれる」という強い期待を。
実際関西の、特にオバちゃんたちの恵美子人気というのは物凄いと思う。
「恵美子ちゃんもっとやって!」「もっとスゴいホラ吹いて!」
そんな関西視聴者の強いニーズを感じればこそ
ヒートアップしてノリにノってしまうんじゃないだろうか。
おらが地元のスターに寄せる期待と選挙に出る政治家のように
土着人気に応える芸能人、この2つが生み出すバイブレーションが
特有の面白さを造りだすのだろう。


そういったグルーヴ感を持つ半面、
ある種の「地方タレント」というのは
視聴者にとって「幼なじみ」「親戚の誰それ」という感じの
強い親近感を持ちやすい傾向にある。
「この人私が小さいときから出てるわ」「変わんないねえ……」
「ずーーーーっと同じギャグだよね、この人」的な。
それはあるレベル以上の笑いは生み出さない存在だけど、
なにかホッとする存在であるのも確かだ。
ひょっとして町並みや風土とともに、
強く「郷里」を感じさせるものではないだろうか。
私もたまに仙台に帰って「さとう宗之」を見ると
「あらら老けちゃって」みたいな親戚のような
気持ちになるもの。俺だけか。
不思議な安心感。それはある種
「ぬるい」空気かもしれないけど、
そういう一角が芸能界にあってもいいと、私は思う。


とにかく、濃いも薄いも数ある中に!
独特のコンセンサスが成立しているローカル番組が、
その地方でしか通用しないコンセンサスやギャグが、
私はなぜか好きなのだ!!
と、「なるトモ!」のことを書こうと思ったら
前置きが異常ーに長くなってしまった。


この番組についてはまた明日!(いらないとか言わない!)