朗報・名画座復活

素晴らしいニュース! 
粋だなあ、かっこいいなあ!!
何を興奮してるのかというと、
さる弁護士のかたが資財を投じて
名画座を建てるというニュースを今知ったのだ。
こんな有意義なお金の使い方ってあるだろうか。ものすごい文化的投資。
「自分を育ててくれたものの一部、名画座が失われていくのがしのびなかった」
なーんて素敵なセリフが。
聞けばそのかたは47歳、借金をしてでも建てたというのだからすごい。
通っちゃうもんね、絶対こんな心意気潰さないように盛り立てたいもんだ。
絶対に映画館で観たほうがいいものね、小津や成瀬の繊細な世界なんて
まさに銀幕で楽しみたいもの。
いやーいいなあ。奇特だなあ。アガるなあ。
「日本の文化は使い捨て。目新しいものばかり追いかける浅薄な民族」なんて
言葉ばっかり吐くインテリお金持ちも少しは見習ってくださいな。
言葉よりもお金を出してね。
はい、エラソーなこという前に
そんな伯楽になって自分でお金だせるよう
少しでも頑張ります。

<ニュース原文>

●弁護士が叶えた夢 「名画座復活」来年開館 借金して資金捻出
ハリウッド映画の上映契約に携わるなど、エンターテインメント・ビジネスの法実務を専門にしてきた弁護士、内藤篤さん(47)が自ら東京・渋谷に映画館を作る。もうけることが目的ではなく、姿を消していく「名画座」を復活させたいという思いからだ。低料金でいろいろな名作を楽しめた名画座が「自分を育ててくれた」と話す内藤さん。まったく畑違いの分野への挑戦だが、「若い映画ファンを増やしていきたい」と意気込む。
 東大法学部卒。昭和60年に弁護士となり、平成2年にはニューヨーク州でも弁護士登録。映画や演劇などのエンターテインメント、メディア関連の法実務が専門で、ハリウッド映画「ラスト サムライ」で女優、小雪さんのマネジメントをつとめたことも。
 仕事のかたわら、10年ほど前から全国で活発になった地方の映画祭に評議員などとしてかかわるうちに、「みんなに見てもらうのはいいな」と思い始めたという。一方で、銀座並木座、渋谷の全線座…、ロードショーよりずっと低料金で映画2、3本を楽しめた名画座がビデオの普及などの影響を受けて消えていった。自分の原点だった名画座への思いも後押しし、借金までして億を超える資金を捻出(ねんしゅつ)。ジャンルの違う映画館経営に乗り出した。
 「少しでも若い人たちに映画を見てもらいたい。将来的には高校生たちに自ら1週間のプログラムを組ませ、学校で宣伝してもらい『客を連れてこい』くらいのことまでやってみたい」。次代の映画人を養成する“内藤塾”のような構想も描いている。
 映画館の名前は「シネマヴェーラ渋谷」(145席)。来年1月中旬、東京・渋谷に開館するシネマコンプレックス(複合映画館)「Q−AXビル」の4階に入る。料金も通常二本立てで大人1400円、シニア(60歳以上)1000円、大学・高校生800円、中学生以下500円と抑えめにした。
 第1弾は北野武特集。内藤さんは「幅広いジャンルを扱っていく。運営を進めながら、自分のカラーも出していきたい」と話したあと、映画ファンの1人として「ニコール・キッドマン命です(笑い)。フレッド・アステア若尾文子も好き。映画はベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺のオペラ』、テオ・アンゲロプロス監督の『アレクサンダー大王』が好きですね」。夢を追い続けた少年時代の目に戻った。(松本明子)
【2005/11/17 東京朝刊から】