life settlement --少し前のニュースから

ちょっと前のニュースで
「生命保険の死亡前譲渡」というのがあり
興味深く読んだ。うまく説明できないが書いてみたい。


Aさんは現在回復不能の末期がんに冒されている。
余命はほぼ1年を切った状態。
現在未承認の新薬を延命をかけてトライしたいが
保険診療外でもあり経済的に難しい。
これ以上財産を目減りさせるのも家族に対してすまない気持ち。


そこで持ち上がったのが
自分の生命保険をBという会社に売り渡す方法。
死亡時2000万円の生命保険をB会社は680万で買い取るという内容。
アメリカでは「合法」として認められるケースが多いやり方という。
しかしAさんの加入している某外資系の生保会社Cは
この受け取り人名義変更を拒否、
Aさんは裁判所調停を申し込んだが訴えは退けられた。


Aさん
「私は少しの可能性にでもかけてから命をまっとうしたい。
完治の見込みがないことは医学的に明らか。この保険が払われる結果になるのは
明らかなのになぜ拒否されるのでしょう」


C会社
「こういったケースがまかりとおれば必ず悪用する人間が出てくる。
暴力団の資金源として活用されることも想定される。正式な法例として
まかりとおってしかるべきものではない」


アメリカでは「viatical settlement」(生命保険証書買い取り契約)として
確かによく、とは言わないまでも存在するケースらしい。
貧困層におけるエイズの末期治療からこういった手段が
考え出されたという。最近は「life settlement」と呼称も変わっているようだが。


などと珍しく漢字の多いこと考えてますが
ニュースってのは短い時間にいーっぱいのこと乱暴に
詰め込むからどうしても要点報道になってしまうんでしょうが
がんとかエイズ治療ってどうしても
高額医療費の積み重ねになってしまうものじゃないだろうか。
貧困層」とくくられると「大変なんだねえ」とよそ事になっちゃう
視聴者多いだろうなあ。一般的に多くの層で経済的負担すごいと思うけど。
まあアメリカと同じ土壌では語れないでしょうがね、
国民皆保険でないあちらで健康保険にまったく入ってない人たちの
末期というのは想像するに難くない。


話を戻すが、「生保名義変更」は確かに犯罪と密接に、容易に
関わってしまうとてもナイーヴな問題だとは思う。
それと同時に「未承認薬のいたずらな承認早急化」を
扇情してしまいそうなケースとも思うし、
それを考えると「何があっても未承認薬にかけた以上、自己責任と思えるか」という
医学上の意識観の問題まで想起させてしまう複雑な問題だと思った。
このニュースを聞いて1週間以上経っているが、
まだ自分なりの考えを持てないでいる。


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