プロに失礼だ! ――荒川静香凱旋インタビュー――

トリノ・オリンピック唯一のメダリスト、荒川静香さんが帰国されてすぐ行った
テレビ各社によるインタビューを見ていたんだが……
あ――――――――――――――もうッ!!
「バカにすんのもいいかげんにしろッ!」と思わずテレビに悪態ついてしまいました。
そして見終わって脱力。はぁーげんなり。どっこいしょ。
 何にガックラこいてんのかいうと、もう各社とも
「もっと彼女から『感動』を絞りとりたいんだ、そのために涙モンのコメント
絶対吐いてもらうぞッ! 吐かせるぞッ」という意図ミエミエのクエスチョンばかり
質問するんだもの。オーバーなようだが「餓鬼道」という言葉すら
頭よぎっちゃいましたよ。いやー最近よく怒るな俺。
 特にそのインタビューレベルが低く
見ていて思わず本気でカッとしたのが、国営放送NHKニュース10」の
ある女性アナウンサーのインタビュー。フリーの演技をVTRで振り返りながら
対話してるんだが
「もう日本中が真似しているイナバウアーですが、うまくやるコツはなんですか?
私もやってみましたが難しいものですね」と続く。……………………。
いやあ、本当にプロに対して何の敬意もないのですね。


 オリンピックを通じて感じたのだが、マスコミの選手にまつわる報道って
「おらが村の頑張った兄ちゃん姉ちゃん」に対する態度と同じなんだな。
「すげーなぁ、どうやってやんだよそれ!」
「頑張った頑張った、また今度トライすればいいっぺさぁ!」
こんな感じ。まるで友達。タメ。仲間。
荒川選手はとても優しい方のようで、「コツ……ですか……小さい頃からやっていて、
それを発展させたものなので、特には……フィギュアやっている子なら
見ていてつかんでくれるのではないでしょうか」と真面目に応えられていた。偉いなあ。
この後も「(演技のVTRを見ながら)このときは何を考えてました?」という質問に
「ただ集中して正確な演技をしよう、それだけです」という答えに対して
「集中ってどうやるんですか? 集中しよう集中しようって思うんですか?」だの
「金メダル取ったら普通(本当にこう言ったのだ!)泣いたりするもんだと思うんですが、
泣かれなかったのはなぜですか?」

という常識を疑うような質問が続々と。
(荒川選手はキチンとすべての意見に答えていらした。凄い……)


 腹が立つのは、私もインタビューの仕事もさせていただくことがあるが、
このアナウンサーは全国放送でプロに対して質疑応答をすることの
「凄さ」をどれだけ認識しているのだろう。「事前の勉強」をしていなさ過ぎる。
この人に限らず言えることは、テレビ関係者って
ひたすら荒川さんに、「もっともっと『テレビ的』なリアクション
してくれーーーッ!」って思っていたんだろう。
今井メロのラップや、雪の上を地団駄踏んで悔しがった成田童夢のような
「おいしいアクション」がほしくて仕方ないのだ。
浅ましい……という私のこの嫌悪感は、このインタビューをしたのが
NHK」ってことと無関係じゃないんだろうな。
 はぁー……メロちゃんたちがメダリストだったら
テレビ関係者はさぞ楽だったでしょーねー。
厳しいことをいうようだが、アスリートの「リアクション」の差も
オリンピックの結果と無関係ではないような気がする。
荒川選手のストイックな態度は、ひたすらに世界とリンクしていて、
結果につながったのではないだろうか。


うわー列記とか言ってましたが超文章長いですね。
止まらないんです書き出すと。また、明日。


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今日の一食
麹町・「earthquake」のカツカレー
http://r.gnavi.co.jp/a086800/



ここ夜はワインバーなんですが、気取らず家庭的なメシと雰囲気で
まあ「欧風定食屋」という風情です。「明太子スパ」とかも
メニューにあるような感じのお店。で、オススメはランチメニューのこれ。
フォンドヴォーを使ったカレールーは上品な味わいですが、
キモはカツ。よく、ポークソテーでもなんでも「脂身」をキレーに取り除いて
「食べられないのォ」とかいうアマがいますが
そういう部類の人間は絶対に来ないで下さい。
ここの脂身は美味しいですよ、豚の旨味が凝縮。
それがカツの衣と一緒になって……ああ幸せ。
カツに合わせた軽いルーが食後もたれずランチとしていいバランスです。
たっぷりのサラダとアイスティーがついて945円は嬉しいところ。


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