製作ドキュメントの楽しみ 『危険な情事』『恐怖のメロディ

G・クロースの死に様にトラウマ

こんにちは、ジョン・ボン・ジョヴィの元気の素が
高麗人参」だと知って驚いている白央篤司です。(本当)
さて、昨日からネタにしてる洋画DVDの特典映像について。
ツタヤの半額デーで調子に乗ってポンポン借りていたら
奇遇なことにある「つながり」を持った2作品に出会いました。
『危険な情事』と『恐怖のメロディ』、
このドキュメント・フィルムがとっても面白かったのでご紹介。


●『危険な情事』(1987)asin:B000EQITD0
公開約20年前か! 嘘みたいですね。一応知らない人もいるでしょうから
簡単に説明すると、「一夜の遊びと誘っておきながら、
ヤったが最後まとわりついて離れない妄執女と浮気男」の破壊的なストーリーです。簡単。
最初に見たときは、もうこれグレン・クロース演じるストーカー女があまりにも恐ろしく、
ほとんどその印象しか残っていませんが、改めて見直してみると
マイケル・ダグラス「受け」の演技に驚嘆。
こういう「だらしなくも優しい男」って本当に難しいもの。
はっきり「NO!」と言えないダメ男でありつつ、観客に嫌われない演技、すごいなあ。
こういう系譜って元をたどると「ジェームス・スチュアート」に
行き着くんじゃないだろうか。キング・オブ・巻き込まれタイプ。


さてそんなことはともかく、スタッフ&キャスト総出演によるメイキング・ドキュメント、
かなり見ごたえありますよ。本当のラストシーンはまったく違う演出だったが、
試写の反応の悪さから現在のものに撮影しなおして(!)いたのだとか、
それにG・クロースが反発、当時を振り返っての彼女のインタビューもあったりして、
とても興味深い。まったく知らなかったが、「バニー・ボイラー」(bunny boiler)という
単語までこの映画は生み出していたんですね。
正妻を演じたアン・アーチャーは、「come-on girl who causes lots of trouble」
(あとで面倒を起こす尻軽女、ってことかな)と単語の意味を語ってます。
辞書引いたら「An obsessive and dangerous female, in pursuit of a lover who has
spurned her.」(冷たくされた男を追いかける変質的で危険な女)とありました。
そのまんま。単語のオッソロしい成り立ちについて知らない方は、
どうぞ本編をご覧下さい。怖いよ。


●「恐怖のメロディ」(1971)asin:B00009AV6Q
ミリオンダラー・ベイビー」のクリント・イーストウッド初監督作品です。
これも「僕には恋人がいる」「一晩楽しむだけならいいじゃない、ウフ」
(次の日)「ごはん作りに来たわよ〜」という居直り強盗みたいな
偏執女の恐怖ストーキング話。まあ散々日本でも「ストーカー女の先駆的映画」
「この映画あってこその『危険な情事』」なんて指摘はされていたのですが、
メイキング内でイーストウッドが「この作品のリメイク的存在が『危険な情事』」と
はっきり言ってたのにビックリした。あ、完全にそういう認識でとらえていーんだね。
イーストウッドが『危険な情事』に対して面白さを認めつつも、
自作のほうに自信をもってるのが感じ取れるインタビューがなんとも微笑ましい。
彼も語ってますが、ストーカー概念の無かった時代に
こういう作品を作った慧眼がさすが。比べてみてみると中々面白いですよ。
というわけで秀作メイキング2本の紹介でした。


 完全に『サイコ』意識してますね


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