一週間の記録

水曜から見ごろらしい

 大久保から高田馬場に抜ける道を歩いていたら、袴姿の若い女の子やスーツの男の子がぞろぞろと歩いてくる。みな一様に紙袋を手に提げ、そこには「WASEDA」と記されていた。ああ、卒業式か。歩きタバコなど流行らないというのに、ちょっと得意げなその男の子が、まさに肩で風を切るような歩みようで煙を吐きつつ、道を往く。普段なら「ケッ、迷惑千万!」とムッとするところだが、なんだか今日に限り、微笑ましく思えた。「学生」からの卒業の日、ちょっとぐらい粋がってみたくなったのだろうか。自分はどんな気持ちで卒業の日、この道を歩いただろう。思えば遠くへきたもんだ。新宿区は歩行喫煙禁止だったかな。
日曜日は自分のための行動記録。


日:小さい頃たポスターがあまりにも怖く、その後ずっと触らずにきたダリオ・アルジェントの怪作スリラー『フェノミナ』を観る。ロマン・ポランスキーと共に欧州を代表するロリータ巨匠、ダリオが「美少女をいたぶり陵辱しつくしたい」ただそれだけの作品。主演は当時日本でも大人気だったジェニファー・コネリー。モルグってのかな、水槽に腐乱した死体がブワーっと浮いてるプールにジェニファーが叩き込まれたときは驚愕を通り越して唖然。こんなことを思いついて本当にやっちゃう人がいるのだ。感動した。


月:夕方までずっと原稿書き。夕方から六本木にて『こわれゆく世界の中で』の試写。隣に元いいとも青年隊のジョンがいた。まっすぐ帰宅。パール・バーホーベン監督の『ショーガール』をとある仕事の都合で観なおす。素晴らしい。ここまで女を類型的に描けるなんてそうそう出来ることではない。人間の精神は玄妙にて不可解、などという文学的感性、そんなのを監督だの作家だのっちゅーのは表現したがるもんだが、まあそんなもん皆無ね。いやー素晴らしい。昔さる芸能マネージメントの事務所社長が「オンナはパイオツでかくてなんぼ!」と言い切ってるのを聞いたことがあるが、それに近い価値観でズバズバ描いていくショーガールの世界。「余韻」とか「タメ」とかナッシングの世界で女は男を利用し抱かれ、男は女を食い物にしていく。おなかいっぱい。


火:講談社にてしんむらけーいちろーさんのインタビュー仕事。コレに関してはそのうち報告します。すっごい長きに渡ってやってた南インド料理記事がようやく校了。思えば長い道のりだった(笑)。4月2日売りで出ます週刊現代のカラーグラビアですので、どうぞ皆さん手にとってご覧下さい。


水:この日も講談社にて調べもの。休日の会社はシーンとしていて面白いが、週刊現代のオフィスは普通の人変わらず動いている。週刊誌というのは平日の休みは関係ないのだ。汗ばむほどの陽気で休日日和。帰りに戸山のプールによって泳ぐ。


木:インタビュー起こしを終えて、東銀座に向かい『フランドル』の試写。見事な演出、確固たる世界観に圧倒され、打ちのめされる。


金:週刊新潮の「田中絹代没後30周年・付き人が今明かす素顔」みたいな記事を興味深く読む。別段スキャンダラスな内容ではないが、この、不当に忘れられている大女優が今に伝えられる記事に好感を持った。四谷でスペイン料理屋のバイト。


土:日本舞踊の稽古に行った後、友人・ナラオカ宅のホームパーティへ。東武で手土産に銘酒のカップ酒3つセットを購入。フィギュアスケート・フリー演技を観る会だったのが、この日は盛り上がった。前日5位の浅田真央、ドラマティックに1位に返り咲いたかと思えばミキティの好調、そして優勝。視聴率平均38.1%というのも納得。真央の涙にもらい泣きをするわたし達。あはは。


日:編集・オノさんの妻ミホコさんのイベントで三茶へ。フラワーコーディネートをやってる彼女が桜をどーんとカフェの中央にアレンジして、それを観つつ酒にメシに興じる、というもの。カメラマンのアサモトさん、その奥さんといろいろ話す。その後ひとり中目黒によってカクちゃんと「尋」で飲む。久しぶりだなあ。


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